うららか雑記帳
DiaryINDEX|past|will
*悪い癖
色々なものを執筆してみると、次第に自分の文章の傾向が見えてきます。 他の方にも指摘されたことと照らし合わせてみても、どうやら私が“書き込みすぎ”傾向にあるのはまず間違いないようです。 読者様的には必要ない、余分な部分までついつい描写を入れてしまう。キャラクターや設定や状況について、饒舌に語りたくなってしまう……。 これは臨場感upには欠かせないことかもしれませんが、度が過ぎれば鬱陶しくなるだけ。気をつけなきゃ。 実は、先日仕上げた企画小説の時もこの癖が出てしまって、相方殿の助言で手直ししたんですよ。「テンポを損なわないよう、書きすぎには要注意!」と肝に銘じ直した一件でした。 ちなみに削除したのは以下の文。第四場面から。
──────────
「孫家の倅め、食客としてさんざん世話をしてやったのに、その恩を仇で返しおった」と袁術はさぞ腸を煮えたぎらせていることだろう。見渡すまでもなく敵は多い。群雄の数だけ敵がいる、と考えても差し支えがないほどに。 当面の敵となるのは、やはり袁術か。袁術・袁紹の名門異母兄弟は互いに反目しあっているとはいえ、なんらかの駆け引きがあったに違いない──袁紹と同盟関係にある荊州の劉表が、じわじわと圧力をかけてきている。曹操、公孫サンといった北の勢力は様子見を決め込んでいるようだが、決して油断はできない。孫策という男がどれくらいの脅威であるかを見極めんがため、建業には間者が潜り込んできているはずだった。
──────────
読み切り短編であることを考慮すれば、こういった事情説明はいわば枝葉。流れが重くなるので思い切って捨てた部分です。
小説を書くならば、自分の書いたものを徹底して客観的に読み直すことのできる力を養わなくてはならない。そんなことを実感した昨今でした。
本当に、すぐそこまで。 君も知っているはず。 僕が発たないと、あいつが腰を降ろせないって。
|