「年末年始に読もー」と買って、そのまま放置していた(笑)東野圭吾氏の『秘密』をようやっと今日読みました。 感想は・・・うん、なんていうか、すごく面白かったですよ。 登場人物の心の動きがごく自然に描かれていて。 突然襲った事故の衝撃とか、娘の身体に妻の魂が宿るという通常ありえない事態が起こったことに対しての動揺とか、それによって本来なら味わう事が無かったであろう葛藤とか焦燥とか。 年月が経つにしたがって変わっていく妻の心情と取り残されていく夫の不安とか。 ただねー、ラストがねぇ、なんとなく腑に落ちないというか。 いや、話としては綺麗に終わっていると思うんですよ。 タイトルの『秘密』の本当の意味が分かったし。 『ああ、妻はきっとこういう気持ちでこんな行動にでたんだろうなー』と理解も出来るラストですし、きっとそれしか方法がなかったのだというのも分かりますし。 多分、腑に落ちない原因は、HANAが若すぎる(精神が幼い)からだと思います。 愛する人が本当に幸せになれるのなら、例えそれが自分の手によるものでなくても良いと思えるのか。 現在のところ、HANAはそこまで達観出来ていないので腑に落ちないのだと思います(笑) おそらく感情的な部分で納得出来ないんだと。 読み手として『どうせなら最後まで騙し続けて欲しかった』と思ってしまうので。 きっとあと10年以上すれば、もっと深いところまでを本当に感じるコトが出来るのかな、と思います。 これは10年後にもう一度読みたい作品ですね。 『本当に愛すると言うのは、どういうコトなのか』というコトを考えさせられますし。 しかし、久々に長編小説を読みました。 普段はあまり長編には手を出さないのですが。 一度読み始めると止まらないため、ある程度時間に余裕がある時しか読めないので。 だから半年近くも放置してたんだよなー(笑)
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