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容疑者Xの献身。
2008年09月22日(月)

「容疑者Xの献身(東野圭吾/著)」を読みました。
かの有名な探偵ガリレオシリーズ最新作であり、初の長編というこのミステリー。

初めは、その分厚さにかなりひるんでしまった(笑)ワケですが、読み進めるうちにドンドンストーリーに引き込まれていくHANA。
そしてラスト30ページで、それまでの先入観を全てひっくり返す衝撃的な事実が明らかになり、初めてタイトルの本当の意味を知るコトになったワケです。


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しかし、最後に一連の筋書きを書いた高校教師が取った行動は、モチロン彼が守りたかった人達のためでもあったのだと思うのですが、個人的には彼自身にとっても望ましい状況だったのではないだろうか?とあたくしは思うわけです。
数学を愛し、一生を数学に捧げ、ずっと数学のコトだけを考え続けられる状況を望んでいた彼にとって、その選んだ先にある環境は、それまでの彼を取り巻く雑多な事象渦巻く日常よりもずっと彼が望んでいた状況に近いのではないだろうか、と思うのです。
小説内ではそのことについて一切言及はしていませんでしたけれども、HANA的な感想としてはその選択は彼にとっても利害が一致したのではないかという気がしてならないのです。

まぁ、難しい感想はともかく(笑)、間違った方向へ行ったとはいえ、ここまで自分の人生をかけて人を愛することが出来るという点においては、かなり羨ましく思えたりしました。

そして、さすがは東野圭吾だな、と。

彼の作品は論理としてもモチロン優れていますが、何よりも優れているのは倫理的思考と非論理的な思考である感情を絡める手法だと思っています。

なんか書評っぽくなってしまっていますが(笑)、直木賞を取るだけのコトはあるな、と思いました。

例によって、犯人を推理する類のミステリーではありませんが(何しろ犯人は最初から分かってる)、犯人の用意した常識では考えられないロジックのトリックに思わず感嘆する事間違いナシです。
それと同時に論理的思考をも凌駕する人間の恋愛感情の凄さにもひれ伏すことになるでしょう。
だって理性的に考えれば彼がしたコトは一番愚かであるコトは間違いナイのですから。

そういう意味では恋愛はこの世で一番非論理的な事象なのかもしれませんねぇ。
(と、言いつつかつて恋愛感情を心理学的に学んでいたコトがあるのですが・・・)



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