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正直、一般ニュースを見て、こんなに笑ったのは久々だ。
前日までワタシは怒っていたのだ。なぜなら納豆が大好物だからだ。 毎日納豆でも飽きないぐらいに大好物なのだ。しかしここ数日は店に置かれていなかった。 ダイエットのために仕方なく食べる人達が食べれて、ワタシのような 納豆を愛する者がなぜに食べられないのだ!…と、とても怒っていたのである。
「たった一晩の放送でこれだけ納豆が騒がれてるけど、 これが『実はガセでした』とかいったらどうなるんだ?!」 「ハハッ、ま〜さすがにそれはないだろ、いくらなんでも」 「だよなー。あ〜いつなったら普通に買えるんだ?・・・」
…そんな話をしている矢先に、このニュース。
さすがにそれはありえないだろ〜ってネタを、関テレはやってのけたのだ。 ありえないと思われているからこそ、どうしてもやってみたかったのではないか? いくら関西といっても、笑いのためにそこまでカラダ張らなくてもいいのである。
いや〜笑った。ありえなさに笑った。 そして、納豆が普通に買えると思うだけで素直に笑える。
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個人的には笑ってしまったが、それはさておき、 社会的な視点で論じることにする。
今回に限らず、捏造事件は断固として許せない。 ワタシは広告業界だが、テレビとて同じくコミュニケーションを商売とする業界。 それが故、こうした捏造事件は断じて許しがたい。この業界でいう「捏造」は、 建設業界でいう「構造計算書偽造」と同じぐらい致命的に悪質だ。
ヤラセ確信犯の「あいのり」や「藤岡弘探検隊」なら別にいい。 情報をネタにした番組でウソ情報を流してどうする?しかも過失でなく確信犯だ。
正確に云えば、関テレで行った実験や検証がウソだっただけで、 どうやら納豆にダイエット効果があるのは事実らしい。 このように捏造のために、真実すらウソに思わせてしまっている現状こそ罪だ。
下請け業者が悪いのか?そんなはずはない。 ニュースを読むと、実際は下請け制作会社「日本テレワーク」の責任で、 実は関テレも被害者であるように読めなくもないが、そう捉えては間違いだ。
「実験結果、こんな感じです」「うまいこと調整しとけよ」 「教授がこんなコメントを…」「うまいこと調整しとけよ」
…的な感じで、関テレの番組ディレクターは報告を受けて暗に指示したはず。
ワタシは業界の人間ではないので実情は知らない。あくまで憶測にすぎないが、 いくらクライアント(TV局)からコストや納期への圧力があるといえ、 「あるある」のような高視聴率の情報番組の制作で、番組のキモともいえる 実験内容の中身を、勝手に捏造する根性が制作会社にあると思えない。
直に制作した下請け会社は確かに悪い。だがそれ以上にTV局の責任は重い。 社員平均が一千ウン百万という高額給料は、自らが提供するコンテンツの 影響度と責任の分だけ高額なのだと思い知るべきだ。
さて今回の犠牲者は誰か?テレビ情報への信頼を損なったという広い意味で 一般消費者が犠牲者なのは当然だが、その中で実際に文句を云う人は、 本来好きでもないのに、無理して納豆を食べてた人達ぐらいだろう。 一番の犠牲者はやはり納豆業界の人達である。製造者やスーパーの方々だ。 今日のニュースで彼等の悲痛なコメントを読んだが、振り回されて気の毒である。
納豆の賞味期限は一週間。スーパーの倉庫に残った在庫はどうするべきか? 製造工場ですでに発酵工程に入った大量の納豆や、業者で発注済みのパックはどうなる? 捨てるしかないならば、いっそ関西テレビに買ってもらったらどうだろう。 損害賠償代わりに大量の納豆在庫を全て購入するのだ。その納豆を全社員で分けて、 全員で1日2パックを一週間食べ続ければいい。その全社員のデータを基に、 納豆にダイエット効果があることは真実だと証明するのだ。 その時初めて禊は終わる。納豆業界の方もきっと許してくれるはずだ。
070123 taichi
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