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(※9/8〜9/12沖縄旅行記の一部です)
先週、宮崎を襲った台風14号がニュースになっていた。 沖縄旅行2日目の夜、引き続き発生した台風15号が、 石垣島地方に近づいているとの報を、ケラマ諸島・阿嘉島の民宿にて聞いた。
宿のマスターは云った。
「暴風域には入らないけど、海は荒れるね。午後便は欠航すると思うけど、 明日の午前の船は大丈夫だろう」
明日=旅行3日目の午前10時の船で、ハラは沖縄本島へ戻る予定であった。 他の4人の宿泊者も同じ便とのこと。ひとまず午前までは大丈夫との話で、 天候は別としても、日程通りに旅は出来るだろうと思って、その日は寝た。
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沖縄3日目の朝。
甘かった・・・。
部屋の窓がガタガタッと揺れる音で目が覚めた。 午前7時45分。嫌〜な予感を感じながら、 朝食を摂りにフロントへ向かうと、外は吹き荒れていた。
そして、 宿のオバちゃんから衝撃的な事実が…。
「ついさっきね、今日の船が 全便欠航になったって」
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うっそぉ〜〜ん!!!
おーい、まる一日台風の島に閉じ込められるのかよーー 痛いっ、痛いぞ〜これは〜、どうする?どうする?
しかし、続いて出て来たオバちゃんの言葉が、もっと衝撃的であった。
「そんで、飛行機チャーターしたからさ、」
は? ひこうき? 何それ?
「出発は9時だよ!9時に離陸だからね!ゴハンたべて早く準備してね! あ〜それでハラさん!モカちゃんは飛行機には乗せられないんだよ!本当はね、 だからバッグに入れて内緒で渡しちゃって!バッグごと荷室にね! でも見つかっちゃったら、ハラさんはあきらめて!」
おーいマテマテマテマテちょっと待て〜
なんだろうこの展開? ありえねーーと思いつつも考えている余裕は無いと思い、ソッコー準備をした。 他の宿泊者4人と共に、宿のマスターとオバさんが運転するクルマ2台に分乗して、 雨と風が激しく降る中、慶良間空港へと向かった。
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私は、昨日の日記で紹介した例のマスターが運転するクルマに乗っていた。 マスターは運転しながら皆に云う。
「おーいみんな、がっかりさせないように云っておくけど、この雲行きじゃ〜 いくら飛行機でも本島に行ける確率は2割ぐらいだと思うぞ〜。 ヤバいよ、ヤバいよ〜、向こうの空港方面の空が真っ黒になってきた〜。 飛行機も飛ばないかもしれんぞ〜、チャーターしたものの、 天候が悪化すれば来ないことだって全然あるからな〜」
ハラはフロントガラスを叩き付ける雨と、その向こうに映るヤシの木が ワッサワッサ揺れるのを見ながら、今のマスターの話であきらめかけた。
空港は阿嘉島から橋を渡り、隣の島にある。 その橋を渡ろうとした時、マスターが叫んだ。
「おっ飛行機がやって来た!やった!間違いなく本島に行けるぞ! ここまで来たからには、タダでは帰れんからな〜、やった〜!!」
斜め前方の上空に、光を携えた飛行機の陰影がはっきりと分かった。 みんなガッツポーズをしていた。マスターが説明する。
「今日のように船が欠航した場合、 ウチ以上にすぐに飛行機手配できる宿はないよ! 他の宿では今頃慌ててるよ。 ウチはパイロットや船関係にコネがあるからね〜 早いよ〜。天気悪くなるばかりだから、 モタモタしてたらこの後もう飛ばないよ!」
確かに・・・ 朝、船の欠航が決まったにしては、 電撃速攻な手配だった。 民宿「あ〜まんはうす」恐るべし…。 |
コラ!お前はバッグから出るなっ! |
「ちなみに、RAC(航空会社)の那覇=慶良間便があるよね〜? でもRACの飛行機はこういう天候では絶対に無理しない。すぐにキャンセルするんだ。 那覇を飛び立っても途中で引き返すしね。根性ないんだよ〜。でもウチがチャーターした 「エアドルフィン」のパイロットはね、自衛隊あがりのめちゃめちゃ上手いパイロットなんだ。 こんな天候でも平気でフライトしてくるんだよ!顔も口も悪いけど腕はいい!」
ちょっと待て・・・飛行機ってどんな飛行機だ? 「エアドルフィン?」「自衛隊あがりのパイロット?」 まさか・・・
マジかよ〜!!
飛行機というのは セスナだった。
他の人も、これから乗る 飛行機の現物を見て 「うわっマジで!」 と云っていた。
よく考えれば分かる事だったが、この天候の中を右写真のようなセスナで飛ぶ、というイメージの現実感があまりに薄かったせいであろう。
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飛行機のそばへ行けば行くほど、 『マジでこれで飛ぶ気かよ〜』 と思えてくる。
さて、問題のお嬢(=ウチのミニチュアダックス♀1歳3ヶ月/本名モカ)であるが、 バッグに入れたまま気づかれぬよう、何食わぬ顔でパイロットのオッちゃんに渡した。 オッちゃんは全く気づかなかったが、そのバッグを荷室へ ぽーーーーーーーーーん、と放り込んだ。
そのバッグにお嬢が入っていることを知っている宿の人達みんなが、 顔を見合わせて、心の中で『モ、モカちゃん!!!』と叫んでいた。
セスナの2列目の座席に座る。 コクピットが目の前だ。飛行機のコクピットなんて 博物館みたいな所に飾られてあるものしか 見たことがない。同乗する他の男連中もみな キョロキョロして「すげー」などと云っていた。
やはり、こういう代物は男に生まれたからには たまらなく感じるものだ。 |
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滑走路を走り抜け、セスナが浮き上がる。 ジャンボ機のそれとは異なる感覚は、 こんな塊が宙に浮いてる不思議感と、 あまりに頼りない不安感のハーモニーだ。
右の窓から見える海。 それよりも、 隣に見える黒い影はプロペラです。 何とも云えない違和感を感じる。
それに次第に吐き気をもよおしてきた。
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離陸して 約15〜20分後。
ちょっと、 見てくださいよ前方のアレ、 皆さん何だと思いますか?
那覇空港の 滑走路の先端ですよ。
普段、ANAやJALの ジャンボ機内のビジョン でしか見れない光景を 肉眼で見ているわけです。
近づいてくる滑走路…
ちょっと怖えぇ〜〜 …っと思ったその時、
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「ガクッン!!」
!!!!
今5mぐらい垂直落下してない?
めっちゃ怖えぇぇぇ
強風の中、飛行中随時揺れており、そもそもこういうことも 十分ありえる状況であるのは分かっているが、怖すぎ! 着陸する瞬間も、その後しばらくの間も、怖かったっす。
は〜〜〜〜 無事着きました〜。
とにかく無事でよかった〜と、 胸を撫で下ろすハラでした。
ちょっとスリル満点の貴重なイベントであり、 これでまる一日、無駄にせずに済んだと思えば、 費用7500円は安いものです。 (航空代9000円ー船キャンセル代2500円)
あ〜それにしても、 セスナって怖いわ〜
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「何かガクガクしててうるさいし、 ちょっとカラダ疲れたわ〜 一体何だったのよ?」
こ、コアクマめ… |
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050915 taichi
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AIR〜the pulp essay〜_ハラタイチ
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