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- 2005年02月28日(月)
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- 大技コーク7炸裂!愛子W杯モーグル優勝!
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祝! アイコ、W杯今季初V!

やりましたーーっ!!
26日、ノルウェーのボスで行われた W杯モーグルの今季最終戦(残すは世界選手権のみ)にて、 アイコが、初めて、ターン、エア、タイムが3つ揃って、 優勝をもぎ取りましたーーーーーっ!!!うれしー!!。
さっそくFIS発表のリザルトを見てましょう。

一目瞭然で、エアだけでもぎ取った勝利 だということが分かります。
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前回説明の通り、モーグルの得点は ターン50%(15点満点) エア25%(7.5点満点)、タイム25%(7.5点満点) という配分で、3要素の合計点が総得点となります。
ターンは全体5位でトップから0.7点の差。 タイムは全体4位でトップから0.32の差。 しかしエアは2位以下を0.88点ちぎってダントツの1位!
つまり、何が云いたいかというと、 ターンの半分の配点のエアで、 ターンで奪われた点差以上に引き離している!、 それぐらいに、エアはダントツの1位ということです。
エアの審判(J6とJ7)の評価点(表の左の数字)を見ると、 2.0〜2.2点。とりわけ素晴らしいジャンプというわけではなく、 いわゆる普通以上の「上出来」なエアという点数です。
他の選手の評価点を見ても、皆2点前後の点数です。 確かに、今回のアイコはOKエア演技が2本揃ったわけですが、 評価点だけを比べると、それほど差が出るとは思えません。
では、他とアイコは何が違うのか?
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他選手を引き離したエア高得点の要因は何か? それが、 大技「コークスクリュー720」の破壊力なのです。
=============================== ■図解→コークスクリュー720の連続イラスト図解 ■映像→上村愛子/トヨタTVーCF映像 ===============================
リザルト表の中にエア欄に「7o」とあるのがそれ。 「720(二回転)+オフアクシス(軸ずれ)の技」という意味。 これに含まれるのは、ミスティー720・Dスピン・ロデオフリップ、 そして、アイコのコークスクリュー720。
男子上位陣では定番の技となっているが、女子では稀。 ハラが確認する限り、今季出場女子選手中トライしたのは3人だけ。 全試合トライしているのは、アイコ1人だけ。
女子では滅多に見られない技だけに、 DD(難易点)は、男子のそれより高い1.65点。 前述の審判評価点に、この1.65点が掛けられる。
つまり、女子でコークスクリューを決めると、 役満級の得点が転がり込んでくるのだ。
まさに、一撃必殺の大技なのである。
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アイコが今季シーズン前、 必死にこの技を練習していたのは、 この勝ち方でしか勝てない という結論に達したからであろう。
去る01月28日(金)の日記「冬のアイちゃん」を忘れるな!vol.2(今季の成績は?)にて、 調子が上がってこないアイコについて、ハラはこのように云った。
===================================== アイコが復活するためには、
■ターン・・・12.6点(4.2点×3人) ■エア・・・・・6.5点(コーク7【DD1.65×2.1点】、360【DD1.39×2.2点】) ■タイム・・・・6.4点 ★合計・・・・25.5点
このぐらいをコンスタントに出していかないと、トップ3に常時絡んでいけない。 でも、充分に可能な数字だ。
ターンの4.2点×3人は、アイコがミス無く滑れば絶対にもらえる点数である。 エアはとにかく去年からやってる360等のエアは2.2点以上をもらうこと。 そして、コーク720で何点もらえるかである。2.1は難しい数字ではない。 初戦の審判の1人は2.2点を出している。 タイムはこれまで通りに滑れば、6.4付近の点数になるだろう。
何のことはない。 これまで通りに滑って、あとはコークスクリュー720の出来次第、 ということだ。 =====================================
どうですか? ターン点とタイム点を少し入れ替えれば、ほぼ今回の優勝スコアになってます。
ターンで他の上位選手より上を行くのはムリです。 どうしても、小柄なアイコにはコブの吸収幅が小さく、 上下動が審判の目に映り、大柄選手より相対的に低く点数が出ます。 他選手が4.4〜4.5なら、アイコは4.2〜4.3という感じです。 テクニックは絶対に1〜2位を争うレベルなんですがね〜。 タイムに関しても、それほど差が出ません。ていうか差が開くでしょう。
とすれば、ターンを挽回するのは、エアしかない。 ソルトレーク五輪では、金メダリストより大きな拍手をもらった アイコのエアの高さと切れ味。身体が小さい分ダイナミックさは無いが、 大きい選手より高く見えるのだ。
ここに賭けるしかない…。そう思って、 アイコは「コーク720」を練習してきたはずだ。
コーク7が安定してくれば、意識の配分がターンに戻ってくる。 今季は大技の存在で、ターンが少々乱れていた。 なにも頑張る事はない。普通に4.2点をコンスタントに出す事だ。 ターンが安定すれば、エアの踏み切りも安定して、 コーク7はもちろん、もう一つのエア、360も高く美しくなってくる。 エアが安定することは、ランディングが安定することだ。 すると、よくあるパターンのランディング後からのターンの乱れも減って、 ターン点が安定してくる…といういい循環になると良い。
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来年は、トリノ冬季五輪だ。
この技の完成度を磨いてアイコは挑む。
しかし、今回のアイコの優勝で、 マーブラー、ジェニファー・ハイル、そして元女王カリーなどの 上位陣たちは目の色が変わったはずだ。
必ずコーク7やDスピンなどのオフアクシス系エアを、 オフシーズン中に必死になって練習してくるはずだ。 「やらねばっ!」と、彼女らに思わせた今回のアイコの優勝。
うかうかしてはいられない。
もう、この勝ち方しかないのだから迷いはない。 アイコは先人の利を活かして、究極の完成度を目指せ!
とりあえずは次!
今季最後の一戦、世界選手権も勝ってこーーーい!
050228 taichi
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AIR〜the pulp essay〜_ハラタイチ
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