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- 2004年12月19日(日)
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- 長井秀和と波田陽区、どちらが長続きする?
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今年前半から人気沸騰した「毒舌詩人」長井秀和。 後半から怒濤の追い込みでこれまた人気絶頂の「ギター侍」波田陽区。
私、テレビというものを殆ど見ないので、 実は、波田陽区については最近になってテレビでやっと見た。CDも聞いた。 長井秀和は、以前2〜3度テレビで見たことがあった。
どちらとも毒舌の一人芸。非常に似ている。 しかし、似ているものの、決定的に違う。
少し二人のネタを見比べてみよう。
長井秀和 =========================================== 「ビミョ〜、ビミョ〜」って、お前に細かいわずかな違いを見抜けるわけがない! =========================================== 「ウケル、マジ、ウケルんですけど」・・・けどって何だ?『けど』って! そうでもないのか?、まだ何か言い足りないのか?、つべこべ言わずにウケてろ! =========================================== 学校で通学路が急に変わったという知らせが来たって事は、 変なおじさんが現われたって事だぞ! 変なおじさんとは言え、変なだけでバカではないから、 また新しい通学路に現われるかもしれないぞ! 変なおじさんって言っても普段はごく普通の感じで、急に変になるから気をつけろ! ここでの変なおじさんとは志村の事ではない、わりとマーシーの方だ。 ====================================== ※「マーシー」=田代まさし。昔「志村けんのだいじょうぶだぁ」のレギュラーだった。
波田陽区 =========================================== 「ヨンヨンヨン様 ヨンヨンヨン様 ヨンヨンヨン様 ヨンヨンヨン様 冬のソナタ 冬のソナタ 私達 日本女性はヨン様が大好きです 私達 ヨン様と結婚したい」 って言う〜じゃなぁ〜い・・・ ヨン様と結婚したら・・・アンタの苗字「ぺ」ですから!残念!! ヨンちゃん ペッ!、斬り!! =========================================== 「わたし柴咲コウ わたし しばしばしばしば柴咲コウ 『世界の中心で愛をさけぶ』みてくれた? わたしは今 演じることに夢中なの・・・」 って言う〜じゃなぁ〜い・・・ でもアンタの彼氏は・・・夜遊びに夢中ですから!残念!! 道路の中心でISSAが寝てる、斬り! =========================================== (最新・織田裕二斬り。途中から)「〜熱いラブストーリーをお見せします」 って言う〜じゃなぁ〜い・・・ でもあんたの歌で冷めちゃいますから!残念!! 事件はお前の歌で起こってるんだ、斬り! =========================================== ※長井・波田のネタはいずれもファンサイトより。
テレビ芸人のネタを、こういう形で活字だけで見てはいけないと思うのだが、 活字だけで見ると、長井秀和の方が味わいがあるし玄人向けだ。
しかし波田陽区のネタは活字で見ると全く笑えない。素人でも思いつく中身だ。 彼が如何に、ネタ以外のパフォーマンスとキャラに頼っているかが分かるだろう。 さらに、最近TVで見たのだが、彼は生で見ても全く面白くなかった。 面白くないと思う俺がおかしいのだろうか?
波田陽区そのものは面白くなかったが、 彼の功績は評価している。
「って云うじゃなぁ〜い」「残念!」という台詞は、確実に世に浸透している。 日常会話に応用しやすいのは評価に値する。会社でも後輩が、
「お客が『ここのデザイン、もっとイイ感じの無いかな〜』って云うじゃなぁ〜い? でもアンタ、そこにこだわってたら、納期間に合いませんから!残念っ!!」
などと、仕事中に云ってたりする。俺もつい云ってしまいそうになるくらいだ。 波田陽区を語るポイントは、ここにあると思う。
昔ながらの「○○とかけて、○○と説く、その心は?〜」と同じく、 「○○って云うじゃな〜い、でもアンタ○○ですから!残念!!」という、一般向けの 新しい「お笑いトークフォーマット」を提供したことが大ブレイクの原因ではないか。 ギター侍というキャラだけで生き延びれるのは長くて一年。ネタそのものは面白くないし。 その「フォーマット」が一般の日常トークに根付けば、彼は長生きできるかもしれない。 だが世の例に漏れず、流行語はもちろん彼のアイデンティティである「ギター侍」そのものも、 「あれは一過性の流行だったわね」と扱われ始めたら、彼は身の振り方を考えないとマズイ。
波田が長井と違う部分は、 自分のネタで己も斬っているところである。
「拙者中1の時に、ジャニーズ事務所に履歴書送ったことありますから!切腹!!」
という風に、芸能人を斬りながら時々「己斬り」を含める波田。 たけしや松本人志など毒舌の大御所もそうだが、自らも自虐的に斬ることで、 他人を容赦なく斬る芸風をフォローしてバランスをとっている。 長井秀和にはこれが無い。ここの違いには注目である。 長井が自分は完璧という「オレ様」スタンスを貫き通す以上、 さすがに波田のように芸能人ばかりを斬ってはいられないだろう。 ファンから見ると、そこに波田との「刺激度」の差がある。
さて、この辺で二人まとめて斬ってみよう。 しかもそれぞれの得意技で。
【以下、長井秀和調で読んで下さい】 =================================== 長井秀和と波田陽区は所詮「詩人」と「侍」という仮面をつけてしか 毒舌を吐けない小心者という意味では二人とも同じだ!
波田は己の切腹ネタと引き替えに芸能人を名指しで斬ることを選んだ! つまり特定の相手から斬られる覚悟は出来ているって事だ! デブ呼ばわりされたモー娘の加護には斬りつけられるに違いない!
プライドが高い長井は己を斬る代償を払えない分、芸能人をばっさり斬れない! だから矛先を不特定多数の世の女に向けているんだ!間〜違いないっ! 相手を斬るくせに斬られるのが怖い小心者は長井の方だ! ===================================
【以下、波田陽区調で歌って下さい】 =================================== ギター侍、ギター侍、TVにイベントに引っ張りだこ、 芸能人斬りまくって大ブレイクの波田陽区で〜す。 今年の流行語大賞に、あの「間違いない!」を差し置いて なんと3語もノミネートされました〜 って云うじゃなぁ〜い
・・・でもアンタ、流行語とギターとったら何も残りませんよね?
残念っ!!
所詮は「なんでだろう〜」と同じ運命〜、斬りっ! ===================================
まとめると・・・
●一般不特定多数を斬っているので、 一般の好き嫌いに差があるのは長井。 ●同業人だけを斬りつける思い切りの良さで、 一般万人にウケるのが波田。
●風貌の派手さは無いが、緻密なネタや味のある語り口を 素人が真似できないのが長井。 ●素人ネタをキャラと複数の流行語で力ワザで見せるため、 素人に真似が出来るのが波田。
万人に爆発的にウケるのは、素人に真似が出来る芸だからとも云える。 その場合、そのネタはもはや消耗品と化している。 そのネタの芸人は、芸人ではなく、ネタ=商品を売る販売員と化している。 ネタの評価は、その内容でなく真似が出来ることに重きを置かれる。真似=消費だ。 ネタを消費(真似)しつくされ、次の商品を提供できない販売員は廃れてしまう。
長続きするか否かは、素人に真似がされにくい芸を持っているか否か。 その本人でないと出来ない芸をもっているかどうか、である。
つまり長井秀和は長続きする。
最近「長井秀和の『不幸の法則』」というメイン司会のレギュラー番組が始まった。 語り口に個性がある以上、流行りネタの「飛び道具」に頼らずとも活躍できると思う。 「間違いない!」を使わなくても、その語り口で新たなネタを披露すればイケるはず。 イメージとしては、爆笑問題の太田系である。ネタそのものもどこか知的で、語りがあるので 様々なバラエティへの応用が利きそうだ。ただし、毒舌だけだと「デヴィ夫人」のように、 廃れるかもしれない。もし今後彼が、時々ちらっと自虐的な面も見せる戦術に出てきたら、 松本人志の域に行けるかもしれないと思う。
つまり波田陽区は心配である。
一方、波田はキャラそのものが「飛び道具」である。いくら新ネタを繰り出しても 「ギター侍」そのものが社会に飽きられてしまったらどうするのだろうか? それに彼のキャラは「力ワザ」系。司会やコメンテーターなどへの応用力が無さそうだ。 ま〜そんな器用さが見え隠れしてたら「ギター侍」という不器用で思い切りキャラも 成り立っていなかったと思うが・・・。 「なんでだろう〜」のテツ&トモも、赤青ジャージ姿の衣装しか社会から許されなかった。 これといってトークも出来なかった。だから飽きられたら全く消え去ってしまった。 まさに「なんでだろう〜」だけの芸人だったのだ。
侍の着物に赤青ジャージがかぶって見えるのは 気のせいだろうか?
04 12 19 t a i c h i
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