友人の死 - 2008年09月09日(火) ものすごく久しぶりに友人からメールが入った。 こういう時は嫌な予感がするものだ。 そっちに行くから会わない? 今度結婚することになったよ? いやいや、そんな連絡はしてこないはず。 そうしたらおのずと展開は見えてくる。 仲間内で何かあったの?と返す。 「実はさばこちゃんが亡くなったの…」 さばこさんはオレがまだ埼玉に住んでたころに色々とお世話になった人で、音楽の趣味が同じということで知り合った。 その筋のファンの間ではとても有名な人で、バンドのツアーの時は一緒に電車で旅をして回ってしまうくらい行動的でパワフルな女性だった。 最近はあまり頻繁に連絡を取り合っていなかったが、ネットの日記で近況を確認しあっていた。そういえば去年の暮れあたりから日記が途絶えていた。 最後に本人にあったのは6年前のライブ会場だった。あの時はあんなに元気だったのに。オレと3つくらいしか歳が離れていなかったのに信じられない。 今日は早番なので、調理長に相談して、午後に仕事を上がらせてもらって埼玉のお通夜に行くことにした。 いそいで帰って着替えて、車で高速を突っ走った。 途中で混んでいたり、会場近くで道に迷ってしまって、式場に着いたときにはもうお経が始まっていた。一番後ろの席に通されて遺影を見た。 大好きなディズニーのキャラクターと一緒に微笑むさばこさんがいた。この時、初めて彼女が亡くなったことを認識した。 お焼香をあげてから、斎場の入り口でお経を最後まで見届けた。 式が終わってから、お棺の中のさばこさんに会わせてもらった。 とても綺麗な顔をしていた。もともと美人で綺麗な人だったが、本当に安らかで、眠っているようだった。 帰りは三郷インターから湾岸線を飛ばして帰った。 色んな事が頭の中でグルグル回った。 彼女が病気で苦しんでいることすら知らなかった。日記が途絶えていたのに気にもしなかった。 日が暮れた湾岸線の東側で葛西臨海公園の大観覧車が青いライトで光輝いていた。西側には東京の夜景が広がっていた。ものすごく幻想的で美しい光景だった。彼女がこの光景を見ることはもうない。彼女がいなくなっても何にも変わらずに世界は回っているんだ。オレの生活にも何の変化もないんだ。 その時、本当にものすごいタイミングでディズニーランドの花火が打ちあがった。何発も何発も。 彼女は年に何度も通ってしまうくらいディズニーが好きな人だった。 くそー。 現ちゃんに続いて、さばこさんまで居なくなってしまった。 オレは車の中で叫んだ。何度も叫んだ。 涙も出ないし、何にもしてあげられない。だからせめて声を枯らすほどに叫んだ。 悲しみがわいてこない。ただひたすら悔しかった。 死の非情さに。 自分の冷たさに。 さようならさばこさん。まゆ姉。 月並みだけど、忘れません。ご冥福をお祈りします。 ...
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