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| 2005年12月05日(月) |
世界に一つだけの花。 |
前々回に続いて、うたものタイトルです。
異常なまでの大ヒットが出る時と言うのは、その歌の歌詞の中に使われて いる一種の詭弁が、時代のニーズと見事にマッチしていると言う事が 条件としてあるように思われます。 世の中が詭弁を欲している 「うまくだましてね☆」みたいな雰囲気が濃く流れているような。
昔KANが歌った「愛は勝つ」と言う曲がこれまた凄まじくヒットしました。 「最後に愛は勝つ」と言うフレーズがとても印象的ですが、愛といっても 色々ですので、一緒くたにして勝つと言われてしまえば、聴く人は漠然と 自分の心の中に抱えた愛を思ってしまうでしょう。異性愛とは限りません。 でも何となく、そんな言葉が聞きたい時代に生まれたどんぴしゃりな ヒットであると思います。
世界で一つだけの花はSMAPがヒットさせました。 この曲が嫌いなのかと言うと、好きではあるし思い出深い曲です。 ですんで敢えて、根性曲がりな事を書いているのです。 この曲は、人の比較対象に花屋の花を持って来ています。花屋の花は この上なく受動的な存在、人はそうではありません。 動物も植物も、常に競っています。ぶった切られた花はそこで生きる事を 止めているのにも等しいものです。 庭の花であれば、苦労して育てた者からすれば、歪んで咲いても綺麗だし 風に吹かれて花びらが散れば物悲しいです。
花屋の店先の花には、それがいきなりそこにあると言うイメージ的な 物しかありません。ただ何となく綺麗だと言う。実際は 茎が曲がって 花びらが千切れた花を、堂々と咲いていてえらいと思う人は余りいない でしょう。美しく咲いている物だけが人目を引くのです。
切り花なんかに例えると、逆に駄目な物の売れ残り感が強くなるだけな気が。 そこを覚え易いメロディーとSMAPというイメージが能動的なグループに 「ナンバーワンよりオンリーワン」と言う、キャッチーで、多くの人が 正にそれを聞いてほっとしたいメッセージを乗せて仕上げているのは やっぱり見事と言う他ないです。すごいぞマッキー。
オンリーワンはナンバーワンに含まれていると思うんですがどうかな。 初めからオンリーワンで良しとするのは「何者でもない」と言って いるのと同じと言う気がして、自分は好きではないです。 だけど誰もが夢を叶えるわけでもないし、一番になれるわけじゃない。 ダメだったけど先へ進まないとねと言う気持ちを持って歩いて行くしか ないなら、オンリーワンと声高に言わなくとも、自分と言う存在の スタイルは自ずと出来てくると言う、そんな気もする疲れやすい時代です。
でもこの曲、親が子供を見る目で考えれば良いと思うんですが。 「うちの子、茎が曲がってる??花が歪んでる??」 とかって思っちゃう事が、周囲にもあれこれ言われるとますますそんな風に 考えてしまうし。 未熟なうちは、傷のない花と比べても仕方ないので、個性と言う事で 長い目で子供を見るのには、この歌詞には励まされると思います。 どちらかと言うと、子供が親に歌って聞かせてあげる(もしくは逆か) 歌なんじゃあないかと、そんな風に思います。
あと猛烈に大ヒットした曲と言えば「おどるポンポコリン」を思い出すんですが 意味不明のフレーズが人の間を席捲する時、時代に変化が起きるみたいな事を 何かで読んだ事があります。 昔から時折、全く意味不明の奇妙な歌が流行る事があったんだそうです。 あのあとバブルが崩壊しましたからね〜。少しは当たってるのかも。
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