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親しくしていた人、血の繋がった人たちがこの世を去るのは、 とても辛い事。 喪失感を伴う辛さです。
森繁さんのご冥福を祈っておりましたが、 森繁さん、ごめんなさい。 あなたの事だけを思っているわけにはいかなくなりました。
今日、母から連絡が入りました。
母の母。つまり祖母が天寿を全うしたとのこと。
97才。大往生です。
もうすでに、骨になったと。
さようなら、おばあちゃん。
私が物心ついた頃から、母と汽車に乗り、筋子のおにぎりをほおばり、 おばあちゃんのところに行ったね。
おじいちゃんに先立たれ、 おばあちゃんは白内障でほとんど盲目。 もらい子の息子は、有り金全部持って家出して、 おばあちゃんは、一人で考えて決めたのです。 施設に入ろう。 誰にも迷惑はかけられない。 特に、嫁いだ娘には世話になれない。 施設に入って、頑張って生きよう。
私が十歳くらいの頃、おばあちゃんは施設に入りました。
それからは、年に一度か二度、母と私はおばあちゃんのいる施設を 訪ねました。
母と私が施設で一泊して、帰る段になると、 いつも泣いた、おばあちゃん。 泣き虫のおばあちゃん。 その代わり、私の母は泣き虫ではなく、泣かないので有名な女性でした。
あれからどのくらいの月日が流れたのでしょう?
北海道から京都へ越す時、私がまだ20代の頃、 おばあちゃんにも挨拶してから京都へ行きたいと母に言ったら、 「老いたおばあちゃんを見せたくないから、会わずに行って」と言われ。
あれから二十数年、 ず〜っと、おばあちゃんには会っていません。 声を聞いたのも、二十年近く前のこと。
いわば、 すでにおばあちゃんの存在は、私にとって遠く。 亡くなったようなものだったのだけれど、
それでもやはり、 本当にこの世を去ったのかと思うと、 哀しみが込み上げます。
おばあちゃんのご冥福を祈ります。
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