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明日 咲く花
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2009年11月17日(火)  重なるもの

親しくしていた人、血の繋がった人たちがこの世を去るのは、
とても辛い事。
喪失感を伴う辛さです。

森繁さんのご冥福を祈っておりましたが、
森繁さん、ごめんなさい。
あなたの事だけを思っているわけにはいかなくなりました。

今日、母から連絡が入りました。

母の母。つまり祖母が天寿を全うしたとのこと。

97才。大往生です。

もうすでに、骨になったと。

さようなら、おばあちゃん。



私が物心ついた頃から、母と汽車に乗り、筋子のおにぎりをほおばり、
おばあちゃんのところに行ったね。

おじいちゃんに先立たれ、
おばあちゃんは白内障でほとんど盲目。
もらい子の息子は、有り金全部持って家出して、
おばあちゃんは、一人で考えて決めたのです。
施設に入ろう。
誰にも迷惑はかけられない。
特に、嫁いだ娘には世話になれない。
施設に入って、頑張って生きよう。

私が十歳くらいの頃、おばあちゃんは施設に入りました。

それからは、年に一度か二度、母と私はおばあちゃんのいる施設を
訪ねました。

母と私が施設で一泊して、帰る段になると、
いつも泣いた、おばあちゃん。
泣き虫のおばあちゃん。
その代わり、私の母は泣き虫ではなく、泣かないので有名な女性でした。


あれからどのくらいの月日が流れたのでしょう?

北海道から京都へ越す時、私がまだ20代の頃、
おばあちゃんにも挨拶してから京都へ行きたいと母に言ったら、
「老いたおばあちゃんを見せたくないから、会わずに行って」と言われ。


あれから二十数年、
ず〜っと、おばあちゃんには会っていません。
声を聞いたのも、二十年近く前のこと。

いわば、
すでにおばあちゃんの存在は、私にとって遠く。
亡くなったようなものだったのだけれど、

それでもやはり、
本当にこの世を去ったのかと思うと、
哀しみが込み上げます。


おばあちゃんのご冥福を祈ります。





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