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明日 咲く花
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2009年10月15日(木)  お話「その三」再開。

お勧めの「JIN-仁-」が、今度の日曜午後3時に再放送されるそうです。
「高視聴率御礼再放送」だそうです。
観ていなかった方は、是非♪(*^_^*)




押すと続きが読めるよ





その三 借家暮らしと半袖と安月給
 

夫の実家で1ヶ月ほどお世話になった後、
やっと新しい住まいに引っ越した。
勤め先も住居も決めずに北海道から引っ越したので、
勤め先が決まるまで夫の実家に世話になっていたのだ。

そこは、築15年、いや築20年は経つと思われる借家だった。
知り合いの知り合いから紹介された借家は、お風呂がシロアリに食われて
腐っていた。
隣に住んでいた家主さんが、お風呂を作り直してくれた。
システムバスではなく、大工さんが作った木のお風呂だ。
4年後またシロアリに食われ、
大勢のシロアリたちがハネをばたつかせ、旅だって行ったのは言うまでもない。


五月。
まぶしい日差しの中、
ボロでも一軒家に住める事が嬉しくて、
半袖で汗をかきながら、引っ越し荷物を片づけた。


さあ、新しい生活が始まる。

私はこの土地で、うまくやっていく事ができるのだろうか?

軽い不安と期待。

そして、五月なのに半袖な暑さに、けっこうな衝撃。

ここは、亜熱帯地方なの?



1ヶ月かけて探した夫の職場は、洋風レストラン。
給料は、忘れもしない手取りで16万8千円。


あまりの給料の安さに不憫に思った姑が、毎月家賃を補助してくれた。


この時、初めて家計をまかされた。
北海道で暮らしていた頃は、夫が財布を握っていたのだ。
週に一度ほど、『食費』という名目で1万円渡してくれた。
そのお金で、食費以外にも洗剤やティッシュなど日用雑貨も買っていた。
「なくなったら言えや」と言われていたが、それがなかなか言えない。
意を決して「もうすぐ生活費がなくなる」と告白しても、すぐには
お金は渡してくれず、次の日かその次の日、1万円くれた。

その生活からも、さようなら出来る。

家計を任されるとは、そういう事でしょ?

とんでもない、
手取り16万8千円の生活は、週に1度1万円の食費をもらう生活より、
何倍も大変だった。
その事に気付くのに、そう時間はかからなかった。



こうして、私の「底20代」が始まった。

まさに、人生の底。

娘たちの笑顔が、唯一の救いの底だった。



ーつづくー


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