| | |
確か、1年ほど前にも同じ話題があった。
夫が三女に聞いた。 「お前、運転免許を取らんのか?」
三女は、 「ボクチン、自分が運転するのを想像しただけで怖いし、取らない」
「そうか?ほならええけど、免許は持っていた方がええぞ」
あれから1年。
三女は、父親に言った。
「ボクチン、やっぱり運転免許を取ろうと思う。 就職する時も、持ってた方が得みたいやし。 お父さん、免許、取りに行っていい?」
お父さん、ギョッとした顔で答えた。
「お前、1年前は『取らんでいい』って言ったやないか。 あの時とは情勢が変わっとんのんじゃ。景気、悪いんじゃ。 お父さんのお金が、いくらでもあると思うなよ。 免許の事は、ちょっと待て。考えとく」
三女がなんと答えるのか、耳を澄ませて聞いていた。 予想外に、三女は殊勝な顔で、 「わかった。お父さん、ごめん。考えてみて」
どうも、次女に知恵を仕込まれた模様。(笑) 父親に逆らっても良い方に向かわないから、下手に出ろ…と。
ものの5分も経たないうちに、夫が口を開いた。
「わかった。お前の免許代、出したるわ。 30数万円の重みをよく考えて、お父さんに感謝しろよ」
そんなにすぐに承諾するのなら、三女から言われた時にさっさと「うん」と 言え。。。。と、私は心の中でつぶやいた。 大体、長女と次女の時は、率先して免許取得資金を出してやったくせに、 三女の時にもったいつけるとは、どういうこと?と、心の中で突っ込んだ。
父親に偉そうに言われた三女は、それでも殊勝な態度は変わらず。
「お父さん、どうもありがとう。感謝します。ホンマにありがとう」
「せやな。お前、オートマにしとけや。オートマの方が安いからのー」
「うん、お父さんがそう言うのならオートマにする」
そうして、また5分も経たないうちに、 「せやな…、やっぱりマニュアルの方がええかな。マニュアルにせーや」
「うん、そうする。ボクチン、免許を取らせてもらえるのなら、どっちでもいいよ」
そうして、夫は、その後、たいそう偉そうな居丈高な態度で娘たちと接した。 いくら免許代を払ってあげるからと言っても、そんなに偉そうにしなくても いいのでは?と、私は心の中で悪態をつきながら夫の言動を見ていた。 ここで夫に対して何か言おうものなら、またトラブル勃発しそうなので、 妻は静観するに限るのだ。
しかし、偉そうだ。
相手の立場が弱いとわかると、あんな態度に出るヤツだったのか。
あれこれ、三女の言動にうるさく言っている。
「おい、ちゃんと片づけろよ。ほら、そこ、散らかってるやないけ。 テーブルの白いの、お前が汚したんちゃうんか? お母さんに感謝して、ちゃんと孝行しろよ。 ほら、あそこ、まだ片づいてないやんけ」
いちいちうるさいヤツ…と思っていたら、
|
|