| | |
『好きなタイプは?』と聞かれると、
「やさしい人」とか「話が合う人」とか、「顔が綺麗な人」とか、答えるよね。
『好きな食べ物は?』と聞かれると、
これも即座に答えられる人が多いんじゃないかな。
人は、生まれながらに、『好きな〜』を持っている。 どんな風に育てられようが、裕福な家庭に生まれようが、貧困に埋もれようが、 生まれ持った『好きな〜』を持っている。
たとえば、果物が好き。とか。 面食い。とか。 眉毛が薄いのが好き。とか。
同じように育ったはずの娘三人を見ていて、ふと、そんな風に思った。
三人とも、食の好みが違う。 長女はとにかく、好き嫌いが多い。というか、ご飯系で好きなものが少ない。 次女は、ぬるぬる系が嫌い。 三女は、反対にぬるぬる系が好き。たいていのものが好きだけど、人参が嫌い。 夫は、蒸し豚と人参と酢の物が嫌い。あ、ポトフも嫌い。
夕食あとの食器を見たら、長女の残り物がどっさりこん。 「鯛って、お刺身だとおいしいけど、茹でると嫌いなんだよね〜」 そう言いながら食べていた長女。 嫌いだから、きれいに鯛だけ残してやんの。
ワカメと鯛のお吸い物。 作るの、けっこう面倒なんだ。 手間かけて作った料理を、簡単に残しやがってこのやろう。
長女は、いつもそうだ。 嫌いなものは、よけて食べる。 だからといって、長女に合わせて料理すると、メニューがひどく限られてしまう。 ヤツは、いないものと考えてメニュー構成した方が良い。
でもな〜、 あんな風に残されると、へこむんだよな〜。
夫みたいに、 嫌いなもの、まずいものを出した時に、切れられるのもナンだけど。(ー_ーメ)
‥‥……━★‥‥……━★‥‥……━★
その昔、次女を産んですぐ、 夫の実家に少しだけ世話になった。
産婦人科から夫の実家に直行した夜に、いただいたのが、ワカメと鯛のお吸い物。 なんでも、韓国ではこれがおめでたい席で食べるお決まりメニューだとか。
姑は言った。 「本当は、男の子が生まれた時にだけ、このお吸い物を作るんや。 ゆうさんは女の子を産んだけど、今夜は特別。女の子が生まれても このお吸い物を作ってあげたよ」
その言葉を聞いて、わけもなく悲しくなり、泣いたっけな。
ついこの前の出来事みたいだけど、もう22年も経った。 苦い思い出。
長女が残したお吸い物を見ていたら、そんな苦い思い出がよみがえった。
|
|