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明日 咲く花
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2005年03月04日(金)  さよなら赤ちゃん

真夜中、うちの銭湯(浴室)は大繁盛だ。

お風呂嫌いの長女は、時間があってもなかなかお風呂に入らない。


次女を駅に迎えに行く前
「早くお風呂に入らないと、次女とお風呂の取り合いになるよ」
と、長女に釘を刺し家を出た。


なのに、次女と共に帰宅すると長女はまだ居間にいた。
電話中であった。
長電話だ。


「あんたね〜、お風呂に入りって言ったやん」


「それより、お母さん。大変な事が判明した」

大げさやな〜。
長女レベルの事件ったら、「○○さんは不倫していた」とか、
「○○さんは、男を惑わす悪女」とかだ。

今度は何?


「ミドリちゃん(仮名)が子どもをおろしたんやって」

ぎぇっ。
おろしたん?

「あ〜、もったいない」思わず出た言葉。

「もったいない?」その言葉は、長女にとっては意外だったようだ。


せっかく世に出るはずの命がなくなったんだもん、
もったいないじゃない。


「だけど、ミドリちゃんはまだ23才だし、まだまだやりたい事が
 ある
し。子どもを産んだらやりたい事ができなくなるやん」


23才なら、産んでもいいやん。
不倫か? ←それは違うらしい



この事について長女と話すと、世代間の価値観の違いとか、
同世代でも妊娠についての考え方の違いを、とても感じる。

ミドリちゃんは、長女に堕胎の件を話すのをためらっていた。
「別に、かくさんと話してくれたらいいのに」
長女は、堕胎は秘密にする出来事だとは思っていない


「ミドリちゃん、どうやら親にも堕胎の件は内緒にするみたい」
長女は、意外そうに言う。

そりゃそうでしょ。
親には言えないよね。
って、もしかして長女がミドリちゃんと同じ立場だったら、
「お母さん、私、今日、おろしてきた」と言うんだね?


長女、少し考え込んで
「よく考えたら、中学生や高校生が妊娠したんじゃないんだから、
 産んでも良かったんやね〜」と。


そうだよ、産んでもいいよ。
というか、産め。
もし長女が予定外に妊娠したとして、仕事をしたいからおろした
なんて聞いたら、私はやりきれないよ。

だけど、長女の人生の設計図が狂うのもかわいそうだと思う気持ちもある。


「もしも私がマリア様みたいに、妊娠したらどうするかな?
 やっぱりおろすかな?」


「マリア様って何よ?」


「だってさ〜、相手がいーひんもん。一人で妊娠するからマリア様♪」



彼氏いない歴丸3年。
彼氏が切れたことのない次女がしっとりした女らしさを身につける
のと対照的に、長女はますます男っぷりをあげている。
これはこれで、また心配多し。





押すと続きが読めるよ



思いつくことは色々あるけど、それを長女に説明することは、
純情な母にはできませんでした。



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