冷たい風が吹きぬけ、ようやく伸びてきた髪を揺らす。 11月に入ると、街は少しずつ着飾り始めた。 キラキラと光を放つ、都会の樹木。 一層明るくなった夜の風景が、私の心を震わせる。
いつから、あなたにメールをしなくなったんだろう。
些細なことでも、繋がりを保っていたくて 返事を期待して、メールを送っていた。 返事が来たら、それだけで有頂天になって 返事が来なければ、この世の終わりみたいな気分になっていた。
でも、いつの間にか。 私の中から、あなたという存在が薄れていて あなたに会いたいとも、思わなくなった。
いつから、あなたが必要じゃなくなったんだろう。
あの頃、私にとってはあなたが一番大切で 絶対に失くしてはならないものだったのに どうして、あなたを重荷に感じたりしたんだろう。 どうして、あなたを遠ざけたりしたんだろう。 その訳が知りたくて、もう一度、あなたに会った。
たくさんのことに気付いた。あなたは変わっていなかったから。
私は大人になった。あの頃よりもずっと。 そして、私は悟った。
あなたは、今、私に必要な人ではないと。
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