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・・・疲れる・・・
千夜の乗ったタクシーを見送ったあと、ロミオは中華まんを包んでいた紙をいまいましげにゴミ箱に投げ捨てると、ポケットから再び煙草を取り出し勢いよく煙を吐き出した。
年増の腐れ根性には愛想が尽きるぜ・・・ ナニが最近ダメ人間で『妬いちゃった』だ オレは彼氏じゃねぇーーーっつの! 聞いてるこっちが恥ずかしいんだよ 恥を知れよ ま、バースデーソング歌ったオレも相当恥ずかしいが、そんなのにコロッとくる女がまたいるもんだ ドラマじゃねぇっての。 てめーの脚本(ホン)は、絶対観たくねぇなぁ 気安い恋愛書いてんだろうなぁ 事故りそうになってんじゃねえぞバカヤロウ 中華マンなんて、どうでもいいんだよ
あ そうだ あのデブにも電話しとかなきゃ
『もしもし』 『もしもし、ジェニーさん?』 『・・・ロミオ・・・。今どこ?』 『今・・・すぐ近く。千夜さん、タクシーで見送ったとこ。笑ってたよ・・・大丈夫』>どうでもいいんだがな、あんなオンナ 『そう・・・ありがと。ロミオもお疲れだったわね。どうする?今日はこのまま帰る?』 『うん・・・どうしようかな・・・ジェニーさん、どうした?・・・なんかあった?』>メソメソしてんじゃねーぞ、メンドーくせーからよ 『バカね。どうもしないわよ。もうアンタ帰りなさいよ。たまの休みなんだから』 『うん・・・』>泣いてたんだろっ?泣いてて気づいてほしいんだろっ?鼻すすりやがって、気づけってか。正反対のこと言ってんじゃねーよ
『ジェニーさん・・・オレに隠し事しないで。オレ、何もチカラないけど・・・言って気がすむことじゃないかもだけど、聞くことなら出来るから。・・・それしか出来ないけど・・・言ってくれるなら聞きたい・・・』>断ってくれーーー 『相変わらずお人よしね、アンタが寂しいんじゃないの?・・』>てめーだろ
『今日はあまり話せてないから・・・』 『・・・・・・・』>なんか言えよ 『・・・・・・・』>わかんねーだろ 『・・・行こうか・・・行ってもいい?』>行きたくねーーーーーーーー 『・・・ありがと・・・』>やっぱりソレかよっ 『お礼なんか言わないで。待ってて。あったかくなるもん、持っていくからね』 >また中華マンかよっゲェェェーーーーップ 安上がりなのが救いだな
そのあと結局正味三時間ほど、愚痴に突き合わされ・・・。 何が楽しくて聞いてると思ってんだよ
オレは愚痴が大っキライなんだよ しみったれたヤツも憎むね
イヤならやめりゃあイイんだよ スキなら、文句言わずに実行しろよ 当たり前の現実にあぐらかいて、ボヤキいれて楽しんでんじやねーよ イライラする お前たちみたいなオンナ。そしてそれは特上のオキャクサマ。
カモにされたきゃ寄ってこい
ミエミエなんだよ スカスカの欲望 ヌケた個所に埋めたい『見栄』のバーツが、多すぎて困るな 一緒に埋めてやるよ 金落とせ
三本目の煙草を乱暴に踏み消し、ロミオは服についた埃を軽く払った。
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