写真の花はヤブガラシの花なのだ。 小さい鮮やかなオレンジ色がとてもかわいいのだが、緑色の4枚ある柿の ヘタに似た部分が花びらでなのだそうである。
オレンジ色の部分に良い香りの蜜をたくさん出すので、いろいろな虫が遊 びに来ているところをよく見かけるのだが、ヤブガラシに遊びに来る虫は 蝶やハチよりもハエや蛾のような虫が多いような気がする。 これは蜜が花の奥にあるのではなく表面に出ているためだそうである。 蝶やハチよりもハエや蛾の口の形がこの花の蜜に合っているらしい。
ヤブガラシはツル性の植物で、夏になると他の植物に日が当たらなくなる くらい、いろいろな植物の上に覆い被さるようにぐんぐん成長するのだ。 ヤブガラシが茂ったおかげで日が当たらなくなったヤブが枯れてしまうく らい繁殖力旺盛な植物だということで「藪枯らし」という名前なのだそう である。
日本人はツル性の植物が自分の土地にはびこるのが好きではないのかもし れない。 ヤブガラシの別名は「びんぼうカズラ」というのだそうである。 「屁糞カズラ」もかわいそうだが、「貧乏カズラ」も可愛そうな名前ラン キングで入賞してしまう類の名前なのだ。 この草を庭に生い茂らせているような家は金持ちになれない、マメに暮ら さないと金持ちになれないよ、という教訓めいた名前をつけられてしまっ た可愛そうな植物なのだ。
ボクの庭にはこのツルが生えていないので、ちょっぴりほっとしているが、 「貧乏カズラ」の名前が可愛そうなので、散歩道で会った時には「ビンち ゃん」と呼んでやることにするのだ。
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