今、ボクの庭の隅っこに写真の花が咲いているのだ。 これはダイコンソウという花なのである。 野菜の大根とは関係ないバラの仲間の植物なのだが、根元に生える葉が 大根の葉に似ているからそんな名前なのだそうである。
花はヘビイチゴによく似ているのだが、ヘビイチゴと違ってこの花のあ とには面白い形のボンボンができるのだ。 ボクはこのボンボンを見るのが大好きである。
ボンボンの長くて細いものはめしべが伸びたもので、つまりは種なのだ。 そして、この種は熟すとチクチクになってボクや野良猫にくっついて、 遠くへ運んでもらおうと狙っているのである。
しかし、驚いたことに普通のチクチクよりもダイコンソウのボンボンの 方が賢いところがあるのである。 実はダイコンソウのボンボンは、まだ熟す前はボクにくっつくための 「カエシ」の先におまけの部分がついていて、種が熟すとこの「カエシ」 のおまけも枯れて取れてしまうのである。 つまり、まだ種が熟す前にはダイコンソウの種は決してボクにはくっつ かないのだ。熟す前にボクにくっついてしまうと熟す前の種を運ばれて しまうので、種がきちんと熟してからボクにくっつこうとしているのだ。
ダイコンソウのボンボンはなんて賢いのだろう。 この実が熟したら、ボクの体にたくさんくっつけて、遠くの場所まで運 んでやることにしよう。
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