ボクの庭の裏側に、ススキが1株生えている。 去年の夏、サオトメ殿(ヘクソカズラ)に葉っぱを引っ張られ、ツルで 締め上げられたあのススキである。 ススキは秋に穂にふわふわの綿毛をつけていたが、それももうほとんど 飛んで、固い茎だけが残っているのだ。
今日ボクは裏の枯れたススキの穂をじっくり見てみた。 枯れたススキは少しさびしくて、痩せたガイコツみたいだと思っていた のだが、じっくり見てみるとまだ先の方にちょこっとだけ綿毛が残って いた。 こうして見ると冷たくもないし、ガイコツみたいな感じもしないのだ。
ススキの穂は風に吹かれてユラユラ揺れていた。 もうすぐ冬も終わりなのだ。 冬を越えたススキは春の風景には似合わないけれど、先に残った綿毛が かすかに揺れて春の訪れを喜んでいるように見える。 枯れたススキには、春の景色がどんな風に見えているのだろうか。
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