ようやくアキコが忙しさから抜け出したらしい。 忙しいのが終わったアキコとボクはさっそく野草探しに出かけた。
それにしてもオヒガンを過ぎたら日が短くなったものである。 まだまだ夕方と呼ぶには早い時間だったのに、もう日射しが夕方の日射し であった。 「写真を撮るには向かないな」と独り言を言うアキコを引っ張って、ボク は散歩道や草むらをどんどん歩いた。 そして、写真の植物を見つけたのだ。
これはジュズダマというのだ。 お茶などにして飲むハトムギは、これを改良して作ったものらしい。 米がメジャーになる前、大昔はこれを焼いて主食として食べていたことも あるらしい。 アキコはこれも採って食べるかな、と思ったが、食べないらしい。 ジュズダマの写真をチャチャチャと撮った後、「眠い眠い」と言ってボク を引っ張って帰宅してしまった。 じっくり野草を観察できるのは明日以降になりそうだ。
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