今日ボクは裏の栗の木に実がなっているのを見つけた。 秋になると茶色くて固いイガイガになって地面に落ち、うっかり歩いた ボクの足を驚くほど痛くする、あの栗の実である。
この栗のイガイガの中にはとてもおいしい栗の実が入っているのだとア キコは言うのだが、ボクはイガイガしか知らないのであまり好きではな いのだ。
今日見つけた栗のイガイガはまだ黄緑色をしていた。 「触ってごらん」と言うアキコにダッコされてちょっと触ってみたら、 イガイガは思いがけずやわらかかった。 でも、イガイガは先が尖っていてやはり少しチクチクするので、ボクは あまり好きにはなれなかった。
アキコは「早くイガが茶色になって栗が熟れるといいな」と言っていた が、ボクはいつまでもイガイガが茶色にならないといいな、と思った。
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