ゲンゾー日記
2006年04月21日(金)  生きている温度 

今まさに満開で木の枝がしなるほど咲き乱れている桃の花のかたまりに
顔を突っ込んでみたことがあるだろうか。

今日、ボクは桃の花を近くで見たくて、アキコにダッコされて桃の花の
かたまりに顔を突っ込んでみたのである。
散歩の時に野の草や花に顔をくっつけてみたことはあったが、たわわに
咲き乱れる花のかたまりに顔を突っ込んでみたのは初めてである。

ボクは今日まで、生きているものの温度は温かいものだと思っていた。
ボクの頭をなでるボスの手も温かく、ボクがほっぺをくっつけて甘える
アキコの足も温かかったからである。
しかし、今日ボクが顔を突っ込んでみた桃の花はヒンヤリと冷たかった
のに、ヒゲが震えるほど生きている実感に満ちていた。

今こうして桃の花を眺めていても、鼻の先にあの冷たい感触が蘇ってく
る。桃の花の香り、みずみずしい感触、冷たい温度、どれをとってもす
ばらしいものであった。
ボクはまた桃の花に恋をしてしまったようである。


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