|
ボクの庭のアマガキの実が最後の1個になった。 そのまま食べられないシブガキというヤツはまだまだなっている のにおいしいアマガキの命は短いのだろうか。
アマガキの最後の1個であるが、木についていると言ってももう ヘタと皮しか残っていない。 毎日ちょっとずつ熟れて、鳥にちょこちょこつつかれて、とうと う「カサペっ」という音を立てて地面の上に落ちてしまったので ある。
破裂したフウセンのようになってしまったアマガキであるが、ま だ時々名残惜しそうな顔をした鳥が枝にとまって見ていることが ある。 ボクも時々赤いヒラヒラを見上げてみる。
アマガキの最後の1個はなんだか「みっともない姿で残ってしま ったな」と恥ずかしそうにしているようだ。 きっと彼はヘタのところから見事に取れて、丸いまま地面にドサ っと落ちてみたかったに違いない。

|