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今日、ボクはとても眠かった。 眠い時にガラス戸のそばで寝ていると、アキコがガラス戸の 中からこっそりボクを観察していたりするので、今日ボクは ガラス戸からできるだけ遠い場所で昼寝をすることにした。
鎖がギリギリ届く、ガラス戸から一番遠いところは、ボクの ベッドの端っこである。 ここで寝ていれば、アキコが眠っているボクの姿をこっそり 撮影することはできないのである。
今日もアキコはこっそりボクを写真に撮ろうとしたのである が、ガラス戸を開けて体を乗り出さないと写真が撮れないの で、ボクは写真を撮ろうとするアキコに必ず気がついた。
アキコは「ゲンゾーが気づいちゃうからつまらない」と言っ ていた。気がついたボクはつまらない、というのはとても気 になるところではあるが、これはボクの勝利である。 これで、寝相の悪さも気にせずゆっくり眠れるというもので ある。

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