もう一回 もう一回。 - 2009年07月17日(金) 父が病気になった 自分が年をとれば親も同じだけ年を取る 残酷だが避けて通れない現実と直面する時が来ること分かってる でもそれは急だった 5月に足取りが少しおぼつかなくなり 物忘れが突然現れて 急きょ病院へ 初診では認知症と言われたが母だけが呼ばれ診察室で 次の日も来て脳外科でMRIを取るようにと言われ 結果 脳腫瘍が発見された 即 大学病院の脳外科を紹介され即入院 その一週間後には右前頭葉に出来た脳腫瘍摘出の手術 準備から覚醒まで8時間にも及ぶ大手術だった なのに私はノンキに腫瘍が取れたら元気に車椅子に乗ったりして デイルームで話とかできるだろうなんて考えてたけど 現実は非情だ そんな簡単な病気ではなかった 術後 ほとんど寝たきりになり 飲み込みが出来なくなったので鼻から胃までチューブを通し 経管栄養をやっととっている あっという間に痩せた 言葉はほとんど話せなく頷くのが精いっぱい 鼻から入れたチューブを無意識に抜いてしまわないよう 日中は手をベッドに抑制されている ベッドにほとんど張り付けだ 家族がいる間だけは抑制をほどいてくれるので なるべく長い時間いてあげてる 先日 主治医から今後の治療方針の話があって もう手は尽くしたので あとは残りの時間を家族と過ごすように と 余命1年と宣告された 1年? やめて。 それを聞いて胸が張り裂けそうになった。 でももう意識レベルはかなり低い。 自力では何も出来ないし 車椅子に座るのも支えられてやっと 字もかけないし 寝返りもうてず 孫達の名前も出てこない こないだまであんなに元気だった父が 急に寝たきり老人のようになった 衰えるのが目に見えて早い あんなにポジティヴで常に動き回って 社交的で友達も多く 70にはとても思えない行動力があった人が ねえ まだ話したい事がわたし沢山あるの お父さんに聞いてもらいたいこと お父さんと出かけたいし 食事だって一緒にしたいの やりたいこと 話したいこと 行ってみたいところ まだまだ一杯あるの まだ逝かないで 弱い私を もっともっと私を見てて 父の病院までは電車とバスで 片道2時間半かかる 正直 鬱の私は週一回の面会さえしんどい でも会いたいの だって会えなくなる日が来るのをもう知ってしまってる なんて残酷なんだろう なんて 人生って 人生って… 父の人生を突然こんな苦しい形で奪って行こうとする 残酷過ぎる 眠る事のほうが多くなってしまった父の手は温かい ずっと握っていたい ずっとずっと ずっと さよならが迎えに来ること最初からわかってたとしても もう一回 もう一回 もう一回 もう一回 悲しいフレーズが心ん中に響く 逢いたくなった時の分まで 寂しくなった時の分まで もう一回 もう一回 もう一回 もう一回 あの優しい笑顔をもう一回見せて あの怒った顔をもう一回見せて この大きく温かな手を離したくないの ねえ。お父さんだってそうでしょ? そうだよね? 声に出せない父の心ん中 こんな状態でいる 悔しさ無念さが手に伝わってくる 神様なんて いない。 いるなら どうぞ私の命を奪って下さい 父が逝くのを耐えられる自信なんて無いから どうぞ私の余命を父に。 小雪。 ...
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