声優さんと映画とアニメと
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2008年10月27日(月) いやぁ〜映画って本当に良いですねぇ・・・(*修正*)

モリベルラジオの今回の写真が、モリベルラジオの看板写真とほとんど同じ雰囲気というか表情で、まあ、本人なんで当たり前なのですが、撮影から十ヶ月ほど経っているはずですが、森川さんが持つ雰囲気に変わりがないことがとても嬉しいなぁと思いました。

ラジオの中で触れていた「7月4日に生まれて」
関東のアパートに置いてあったので、今見て居ます。
ベトナムでのシーン以降は、視覚的にも、ロン(主人公のトムの役)の置かれている環境がすさまじく、戦場そして戦傷者軍人病院、リアルな描写が凄惨です。
そしてトムの演技も体当たりでリアル。
長い闘病生活の後、やっと健康を取り戻し帰郷。
当り散らし、周囲や家族の苦悩と本人の苦悩とはかみ合わず空回り、そして衝突、そしてやけくそになって・・・このあたりですね、森川さんがトムの演技に感心したという、お母さんと喧嘩になるシーン。
リアルで、ロンという青年が純粋な心を持っているだけに、見ていて本当に辛いです。
決して本土では戦わず、常に正義感と愛国心に情熱を燃やす若者を、政治の手段の代理戦争の地へ送り込み、死なせている・・・そんなアメリカの政策と市民生活の持つ矛盾がリアルに描かれています。
だからこそ、最後の反戦演説の壮絶さは、心を揺さぶりまくります。

吹き替えの神様が降りてきた・・・
半身不随でありながらも必死に生きて必死に叫び反戦を訴えるシーンでの演技などなど、演じるトムとシンクロできたという実感があったのだと思います。
演じる役者にしか味わえない、迫真の感情の追体験のようなものを感じたのかもしれません。
そして、そういう半身が不自由でありながらも一生懸命全身全霊で声をだせば、やはり無理が生じて喉に負担がかかるのだと思います。
そういう人の演技を、そういう状況を体が擬似的に感じながら演じるので、同じようにモリモリの喉にも負担がかかったのだと思います。シンクロしすぎたのかもしれません。
それぐらいリアルに演じることが出来たのだということだと思います。
反戦演説をまくしたてる森川さんの迫真の演技は、本当に何回聴いても鳥肌です。
収録に二日かかったというのは、今回始めて明かしてくれた裏話かな?
真剣に演説しているシーンは、まったく台本読んでるとは感じさせない、聞いていると、本当にどんどん演説し、喚きまくり、そしてどんどんリアルに声が枯れて、最後にはがらがらになります。

もしかすると、森川さんが言うところの、吹き替えの神様が降りていた瞬間というのは、実際に演じているときに感じたのではなく、演じ終わってふと素の自分に戻ったときや、仕上がった作品を見て、きっと自分であって自分じゃないような感覚なって実感しているのではないかと思います。

戦地で地獄を見て帰還した人にとって、何事もなく平和で満たされた生活をしながら反戦活動をしているアメリカの状況には、さぞかしギャップや矛盾を感じたと思われます。
今の若い方々には信じられないかもしれませんが、昭和30年代生まれの私の世代は、子供の頃に駅前でお金を要求する傷痍軍人さんがまだ居たのを見た記憶があります。
60年代、70年代は、高校生や大学生が国の将来を真剣に考え議論し、純粋な人ほど学生運動に身を投じました。それが安保闘争です。80年代の私の世代では、もはや闘う意味も意義も失われていましたが・・・

森川さん、DVDを見ると演じたときの感覚が蘇ってくるのかもしれません。
あんなに全身全霊で反戦を叫ぶ演技をしたトムが、何年も経て後に、レッドフォードの作品(大いなる陰謀)で若者を戦地へ送り込む上院議員の役を演じるという皮肉について、森川さんも言及していました。
演じるトムも、きっとその点は大いに感じていたと思うし、見る側も、そんなトムだからこそどう演じるか興味があったし、同じく演じる森川さんも、いろいろ感じながら演じたみたいです。
興味深い。

「ゴッドファーザー」や「7月4日に生まれて」などは名作です。映画にも、その出来がピンからキリまでいろいろありますが、そんな中でも、こういう演じ甲斐のある作品に出会えるというのは、本当に役者冥利だと思います。2時間程度でさまざまな感情を追体験し演じるという、演技の濃厚さでは、映画の吹き替えというお仕事は、声優さんの他のお仕事よりも、かなり演技的に深いのではないかと思います。
特にDVDになる作品は、演技が(記憶にも、メディアにも)ずっと残りつづけるというのもまた素晴らしい。

映画って、ほんっとうに良いですねぇ・・・と映画解説者の故*水野*さんが毎週おっしゃっていたのが思い出されます。(*淀川さんって書いてましたね、自分でもびっくり、水野さんですね、修正しました、ご指摘ありがとうございました、頭がぼけてたみたいです、爆*)

そんな1本。
今日のテレビ東京では関東ローカルですが「ジャスティス」が流れました。
樋浦勉さんがブルース・ウィリスを、賢雄さんがコリン・ファレルを演じています(これがまた、めちゃくちゃカッコイイです)。
戦争でドイツ軍の捕虜になった米国空挺部隊のお話です。
民族間闘争、人種差別、正義、偏見、さまざまな人間の持つ矛盾が描かれて、男の信念とエゴが激突するドラマとして見ごたえがある作品でした。コリン・ファレルという役者は、とことん眼で演技する人だなぁと実感。この頃が美少年から美中年に向かう過渡期で、とても魅力的。
確認しながら途中から惹きこまれて、半分から最後まで一気に見たのですが、ラストシーンで思わず号泣。
この賢雄さんが絶品。森川さんが追っている先輩は、やはり凄いです。

Web拍手とメッセージありがとうございます。
>榎木津礼二郎の事件簿ってありますから、
そう、それです、読みたいのですが、最初ちらちら眺めただけで、まだ我慢してます。

>京極堂シリーズを全部読んでから読むとすごく楽しめますよ〜>百器徒然袋―雨
やっぱりシリーズを読んでからの方が良いのですね・・・せめて鉄鼠とその次を読むまで我慢します。
先は長いなぁ・・・・

そうそう「狂骨」はかなり大詰めです(爆)一気に読みたくて、分断されそうな状況では読むのを我慢してます。なにしろ、一気に謎が解決してゆく醍醐味が素晴らしいので・・・そしてここまで3作読んできて、かなり榎木津さんの魅力に取り憑かれています(爆)何しろこの「狂骨」では自称神ですから。


まいける2004 |簡易メールシルバーナの船室(コラム)

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