声優さんと映画とアニメと
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2006年12月12日(火) 勝元VSオルグレン

TVステーションの出演情報に12/10深夜のBLEACH特番があって、あららと思って友人に聴きましたところ、どうやら1話をオンエアーしたので一心パパがでてきたみたいです。なるほど・・・

そんなこんなで、最近にはめずらしく(昔は毎晩でしたが、笑)お友達と長電話してたら、すっかりこんな時間になってしまいました。

web拍手とメッセージありがとうございます。
>昨日の森川さん
体絞ってきて仕立ての良いフィットしたドレスアップスーツが最高に素敵でしたねぇ・・・
こういうのを福眼っていうのでしょうか?出番が少なくてもあれだけ素敵だったら、もう大満足です。

結局あれからラストサムライをみながら仕事しながらうつらうつら
後半は映画だけ観てました。最後の勝元とトムの会話シーンで号泣。
何度もみてるのに森川さんのトムの台詞に心を持って行かれました。謙さんもすばらしいですねぇ・・・
謙さんもずいぶん渋い役者さんになったものです。
西洋人が作った時代劇であるラストサムライは、もともと突っ込み所満載の不思議な部分を音楽と美術が補い余りあってシックで荘厳で神秘的な開国直後の文明黎明期のアジア世界を表現してました。
全編吹き替え版の演出は、片言日本語も全部吹き替えしてしまったので、DVDの作品世界とはすこし印象の異なる作品に仕上がっていたと思いますが、あれだけシーンをカットしなくてはならなかったので、作品の底流を支えるいくつかのテーマのうち、異文化の交流の部分での原語の習得という本編では語られていた主題を省いてしまった大胆さには驚きました。しかし、その部分要素を一切排除してサムライの生き様の演出に焦点絞り込んで見せたという思想での編集であれば、それはそれでアリと思う。
大胆かつ攻撃的編集だと思う。それで主人公プロ声優起用による最後のサムライ達の生き様を見届けるアメリカ軍人オルグレンの心の変遷を語るドラマとして仕上がっている。
そして彼の目に映る、刹那を駆けるサムライは美しく自然体に写ったに違いない。基本的に美学がある映画である。
今回の編集は放送時間の限界を容認して主題を一つ切り捨てた上での強引さも感じるが、逆に骨太いのに繊細でナイーブな過去を挽きづり過去に向いて生きる(死に場所を求めてる)男達の、汗と泥と血の匂いにむせ返る魂のドラマとしての素晴らしさに感動。泣けた。素敵な作品になったと思う。そしてその若干ニュアンスの変ったストーリィイメージを表現するかのごとく、DVD版よりも男っぽく骨っぽくやさぐれてオルグレンを演じた森川さんは原語でのトムの演技以上にオルグレンという人物を上手く表現できていた様な印象を与えた。伊達さんの演出効果ではあるが、各シーンでの演じる役者技量(演技力)をこれほど意識させられた作品も久しぶりである。世界が注目したアカデミー男の渡辺謙と差しで渡り合って演技する森川さんって、単なる吹き替え声優という世間の認識を払拭する、声優という役者の演技のレベルの高さを世間に知らしめる役割を担い、その大役を十分以上にこなしたと思う。これはもう、通常の一線を越えた演技者のレベルに到達した役者になれた瞬間といえるのではないかと、そんなことを思いながら、小雪の元へいそいそ走るトムの背中を見送ってしまった。


まいける2004 |簡易メールシルバーナの船室(コラム)

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