声優さんと映画とアニメと
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2005年07月02日(土) |
宇宙戦争とスターウォーズ3の日本語吹き替え版をはしご |
本日は関西の友人と森川さん映画のハシゴをしてきました。
「宇宙戦争」(日本語版)敬称略 出演:ナレータ(原語ではモーガンフリーマンらしい)が津嘉山正種、 トム・クルーズ/森川智之、ダコタ・ファニング/三村ゆうな、ジャスティン・チャットウィン/野島健児、ミランダ・オットー/本田貴子 あと出番すくないのですが結構重要な役所のティム・ロビンス/? ティムの吹き替えが誰か自信がない、調べがつかなかった、たぶんあの人だと思うが・・・エンドロールにもパンフにも吹き替えキャストが載ってない、ウソでしょって感じです。こっちの方は扱いが悪い。 あと、トムの仕事なかまみたいな役で高木渉も共演、さすがに外画常連。
というわけで、吹き替え版の出来は抜群に良かったと思う。 特に子役の三村ゆうちゃんはWOWOWで放映したTAKENでもダコタを吹き替えていたが、マジで迫真に演技、叫びも荒い呼吸もすべてがきちんと出来ている。最高の声優さん。ジャスティンの野島君も、とっても上手くフットしていた、まだ未熟なのに好奇心と反抗心旺盛な元気な若者がきちんと表現されていたように思う。浪川君と声質がすごく似てるがやや若いか。トムを吹き替えた森川さんの演技は、最近観たどのトムの映画よりも数段上の自然な演技、本作で完全にトムの演技の感情表現や心理の動きを自分のものとしてシンクロさせることに成功したと思う。まったくトムが日本語をしゃべっているようで、ダコダとトムの二人に会話は、まるで日本人親子が普通にしゃべってるような錯覚を起こさせる出来だった。某SW3のオビワンと被るからどうかと少しだけ思っていたが、森川自身が一番出しやすいナチュラルな音域での自然で熱の入った演技で、近年では最高の出来ではないかと思う。DVD版になってから確認したいが、アイズワイドシャットに一番近い演技と声だった。
さて、物語の方だが、賛否が有るようだが、映画好きとしては面白かった。市民が災難に巻き込まれたら、情報も断片的であり、パニック的状況になると災厄以上に人間が恐ろしい生き物である事に気づかされたり、普通の人である父親はヒーローのように万能でも強くもない、子供達と同じように怯えたり恐れたりする、それでも子供を必死に守ろうとする気持ち、家族への愛情が勇気を与え、必死に生き延びさせようとして活路を見いだす。そんな映画だった、信じられないような未曾有の災害がたまたま地下に眠っていた宇宙人の攻撃兵器だったわけである。この兵器、ゴキブリが3本長足になったみたいで、その登場シーンは衝撃的であり、どんどんどんどん襲ってくる宇宙人の戦闘機械(トライポッド)から逃げまどう様は恐怖で、演出は自分が無力な存在であるが故の恐怖感を十分に味あわせてくれる。宇宙人侵略、パニック避難物であるが、シャラマンのサインという映画の恐ろしげな部分を増幅したHGウエルズ原作の宇宙人侵略映画としては上出来。トムのへたれな親父ぶり、必死な姿、恐れ怒り愛する様がリアルで好感が持てた、脇が良いだけに、観ていて飽きない。
<閑話休題1> そうそう、今日はワールドプレミアトレーラーとしてキングコングの予告編を日本語吹き替え版で上映するという念の入れよう。なんと主人公のジャック・ブラックを高木渉、エイドリアン・ブロディに宮本充と、FIX級のキャストですごいなぁと感心。丁寧かつ誠実な映画の作りです。キングコング迫力満点、映像もカメラワークもすごかった。これは期待かも、さすがわロードオブザリングチーム。
<閑話休題2> 朝1番の宇宙戦争吹き替え版上映前、なんとスターウォーズ3シスの復讐の吹き替え版バージョンの予告も。うーん、みんな2のときとほとんど変わらない演技でいい感じ、でもダースシディアスはこの予告から本編でチェンジしてるんだよな・・・と思うとちょっと痛ましくなった。それにしても、この予告編がなんと恰好良いことよ、さすがわハリウッドクォリティ。
「スターウォーズ3シスの復讐」(日本語版)敬称略 出演:ユアン・マクレガー/森川智之、ナタリー・ポートマン/坂本真綾、ヘイデン・クリステンセン/浪川大輔 その他、もちろんヨーダは永井一郎で、うる星のチェリーそのまんま。玄田哲章に岩崎ひろしに小山力也(ひと言出演)・・・ダース・シディアス以外は1・2と変更なし。
映画の中身は公開前なのであまり詳しく書かない、先週の先々行での原語版観賞でもすこし触れた。字幕で気に入らなかった3カ所は日本語吹き替え版では綺麗に直っていた、吹き替え版で一瞬??となるシーンがあったように思うが、見終わって忘れたので、たいした場所じゃないかもしれない。字幕には最近ちょっと頭に来てる事が多いが・・・
さて、浪川君のヘイデンじゃなかったアナキンは、未熟者が背伸びして一生懸命な様がとても上手く表現できていた。2よりは大人だが、でもまだまだ成長途上の若造な感じで、わざといっぱいいっぱいに喋ってる様に上手さを感じた。一方のオビワンな森川さんは2とアニメのクローン大戦の時よりもむしろ余裕が感じられて、本当に強さと優しさと知性とユーモアを感じさせるユアンの演技の感覚を綺麗に同じ感覚で変わらない演技表現をしていた。宇宙戦争でのトムの見せた弱さや不安や焦りは微塵も感じさせず、自信からくる余裕とユーモアそして弟子への愛と決意があった。やはりハイライトはグリーバス将軍(ネタバレ?)を倒した直後のつぶやき、そして最後の師弟対決直前のヨーダとの会話、そして最後のアナキンとのやりとり。誰もが既に知っているクライマックスの師弟対決でのやりとりは、聴く者観る者を釘付けにする魔力をもつ。それは原語でも吹き替え版でも魅力を失っていなかった。 むしろ、この師弟対決では、あまりの悲惨さと可哀想な展開に、日本語で聴いてはからずも涙が出てきて、ちょっと感極まった。アナキンを前にして絞り出すような噎び泣くようなそして自分自身に向かって吐き捨てているようなオビワン森川の演技は秀逸だった。予告編でもちょと出てくるあのシーン。最近の涙腺ゆるゆるの私には、あんなにかわいがって居たのに、弟のような存在だったのに・・・と思う気持ちが言わせるあのセリフとあの声音にメロメロだ。本日最高の瞬間だった。吹き替えファン冥利に尽きる屈指の名シーンだと思う。
観ていて楽しいのは、エピソード2でもあった、前半でのアナキンとオビワンの師弟減らず口合戦。何度も戦闘シーンで軽口をたたき合いながらも力を合わせて難局を切り開いてきた二人の、こなれた、お互いを知り尽くした会話がいいんだけど、うーん、よけい最後の悲しみを増やすな・・・。 アナキンの減らず口を飄々受け流し指示を出すオビワンがステキ。あいかわらず単独でもどんどん任務を遂行してしまうし、彼の力量と判断力は抜群という設定で、ユアンはおいしいところ独り占め。まあ、ぶちぶち愚痴を言いながら働く様(だから飛ぶのは嫌なんだ・・・とか)が面白いのだが。 そう、今回気がついたが、ユアンは考え事をするとき髭をしごくのだが、なんとスターウォーズ1のアレックギネスも思案するときに同じ形で髭をしごく、良く研究している成果であろう。
どっちの日本語版もよいできで、最高に映画を楽しめた。最高な1日。
「録画」 今日の昼間に、スターウォーズ3の特番(30分)をTVでオンエアー、情報ありがとうございました、上手く留守番の家族に録画を頼めたので間に合いました・・・内容は20世紀FOXオリジナル制作のプロモーション映像で、1〜6のエピソードを綺麗に編集したうえに3の見所を紹介。ナタリーポートマン、ルーカス監督、ユアンマクレガーにヘイデンクリステンセンとサミュエルLジャクソンが要所を語る。全体のナレーションはまるで津嘉山さんのようなしゃべりで驚きの玄田哲章さん、続いて前半のダイジェストシーンでは、玄田さん、C3POの岩崎ひろしさん、ヨーダの永井さん、ユアンの森川さん、ヨーダの永井さんと交互に見所を解説(たぶん原語ではそのオリジナルの俳優さんが担当していたもよう)。つづいて各キャストの解説シーンではそれぞれが映画で吹き替えた声優さんがボイスオーバーを担当、特にユアン(森川さん)出番が多めだったように思う。出演者も吹き替え声優も映画に完璧に会わせてあって吹き替えファンには最高なプレゼントの特番であった。
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