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戦争画は、国から与えられた題材をこなしたという意味で、描いたのは藤田の本意ではなかったというように思っていましたが、ローマのウフィッツィ美術館で観た圧倒されるばかりの迫力と、観ていてそこに描かれた人の想いが絵から抜け出てきそうな魂の重なりがありました。戦意高揚のために国が描かせたものですが、藤田は画家としてその使命を全うしながら、実はそれを描く意味は全く他所に求めたのかもしれないなど思うと、しばらくそこに佇まずにはいられませんでした。それは、彼が生涯努力していたと思われる、描画の技を極めていくことや、目には見えないもの、たとえば、そこにあるものの魂まで描いて行こうとすることだったのかも知れません。鎮魂や祈りを感じたのは、私の錯覚だったのでしょうか。
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