人生は色々だ。

昨日から読み始めた石田衣良の「1ポンドの悲しみ」の最初の話がペットの話なのですが。
その話を読んで、涙が止まりませんでした。(※死にネタじゃないです)
貰ってから三日しかたってない子猫が病気になる話なのですが、その猫に向ける元気になって欲しいという気持ち。
もの凄い金額をかけて(本の中ではプラズマテレビ以上、という表現)でも、たった三日しか一緒に暮らしてなくても、その子が元気になるようにと願わずにはいられない気持ちが分かり過ぎて涙が出るというか。

でも、その涙はその話が切なくて出るんじゃなくて、それを引き金にいろんな事を思い出すから出てしまうわけで。
自分が今一緒にいる猫の事。今までお別れしてきた猫のこと。

ペットに死なれるのは非常に哀しいです。
ぶっちゃけ、私はその痛みは人と分かち合えないと思います。
解りあう事はできても、分かち合う事は出来ない。

ここ8年程で、4匹の猫とサヨナラをした私ですが。その悲しみを言葉では表現出来ないです。
だって、浸食を共にしてるわけですよ…
家族と同居してる人であろうと一人暮しの人であろうと誰よりも一番浸食を一緒にするのはペットなわけですよね。(室内飼いじゃないペットの場合はちょっと解らないのですが)
その相手がいなくなる悲しみを、表現なんて出来ないというか。

よく、「動物は死ぬから嫌なんだ」と言う人がいるけれど、
そんなふうには思えない。
だって、友達が死んだからって「だから人間は嫌なんだ」なんて思わないのと同じ。
病気の人と知り合ったからって「この人は私よりも先に死ぬ。だったら出会わなければよかった」なんて思わないもん。


……しまった。
何が言いたいのか解らなくなってしまった(汗)


最近、いろんな意味で「ああ、力になってあげたい」って思う状況に有る人がいっぱいいて。
それぞれ抱えている状況がちがうので、どの人が一番大変だとかどの人が一番哀しいとかは無いとは思うのですが、
文字どうり、この子には今は私しかいない!…と思える相手にストレートに「なにか出来ることあったら言ってちょうだい!」と言葉にしてみました。
そんなわけで、相手が要求する事をなんでもやってみました。
4時間電話につきあうとか。
相手の仕事の終わる時間に職場の前で待っていて、そのあと3時間話を聞くとか。
何をしていいか分からないと困るけど、まっすぐに要求されるとそれに答えるのは愛情をストレートに出したい私にとって嬉しい事でもあります。

そんな生活がここ10日程続いたのですが、彼女も落ち着いてきてちょっと安心しました。
辛いことを口に出す事が苦痛な人もいるし、悲しみに触れられたく無いタイプの人もいるから、なんでも話してねなんて言わないけれど。
それでも、誰かになにかして欲しい事があったり、孤独を感じてるならもっと回りに甘えて欲しいなと思う。
だから、自殺とかしないで欲しい。
家族が帰宅しなかったら、もう彼女がこの世にいないのかと思うと本当に怖い。

言葉にしたり伝えたりしないとただの自己満足であって
相手には伝わらないから意味が無いわけだけど。
色々な友人の事を考えながら、今トップに飾ってある絵を描きました。







最近読んだ本。
■中島京子【TOUR 1989】
すっごい面白そうな導入部で最後の方まではわくわく読んだのですが、残り5ページくらいになったときに「もしやこれ、落ちが無い話?」と不安になり、最後まで読み切って案の定………
ミステリーっぽいのに犯人が分からないで終わるような、消化不良。
ネタがすっごい面白いだけに残念。

■石田衣良【娼年】どんな内容か確認しないで読んだので読んでビックリ。エロ小説?(笑)
映画化したら確実にR18。
エロ同人誌とか作る人は、一度読んでみるといいんじゃないかな…とかちょっと思いました。エロくは無いのですが。
話としてもすっごく面白かった!結末も好きです。

■石田衣良【池袋ウエストゲートパーク(1)】連作ものは最後に読もうと思って意識的に避けて来たのですが、図書館においてあったので借りてしまいました。
借りると同時に、2を他の図書館から取り寄せリクエストを出したのですが…出しといてよかった(笑)
普通に面白いです。
感動して泣いたり心に響いたりしないけど、本当普通に面白い。主人公に好感が持てる。

■石田衣良【愛がいない部屋】恋愛をテーマにした、短編集。
収録されている話で、いいな、と思うのは恋愛とはやや離れている話ばかりでした。
表題の話を最後に持って来てるのはすばらしい。
DVを受けてる人の話なのですが、救いが見える部分で終わるので、本自体の読後感がよかったです。

■石田衣良【約束】人によっては“ぬるい”話なのだとは思いますが、私はハートわしづかみされた方で、どの話も泣けました。
【4teen】で泣ける人は、この本でも泣けるはず。
本は読んでもあまり記憶に残らない方な私なのですが、
池田小学校の事件をモチーフにした「約束」と「天国のベル」「ハートストーン」は一生忘れない話になりそうです。




2006年09月13日(水)
萌えたり食べたりな日記帳 / ぱわふるここあ