ひまわりさん観察日記 DiaryINDEX|past|will
約6年半、肩を並べて良い刺激を与え合い共に和みの時を過ごしてきた6年生のせいたくんとけいじくんが、只今大きなサイズの油絵の卒業制作に取り組んでいます。その途中経過をお見せしましょう。 上の絵はせいたくんの油絵。F15号。そもそも「大きな油絵を描きたい」と言い出したのは、せいたくんでした。画用紙ならばいくらでも繋げて大きく描くことができるけれど、油絵でも大きく船を描きたい。・・・それなら卒業制作にしよう、といういきさつ。 10月の児童画展前後にひと通り描き、さらに細部や重ね塗りをして描き込んで欲しい・・・というところで、この絵はずっとあとりえの壁に立て掛けたままでした。 せいたくんが来るたびに「今日は油絵、どうする?」と尋ねるものの、なかなか「うん」と首を振らない。 でも、せいたくんはわかっているのです。もっと描き込んだ方がいいことを。でも、気乗りしない日はてこでも動かない。この後、この絵をどうしようか、どこを描き込んでいこうか、どう絵を動かしていけばいいか、せいたくんはきっと考えているはず。・・・長年のつきあいで、私にはわかります。 そして今日、あとりえに来るなり、油絵をやると自分から言い出し、灯台のある港に着けていた船の絵から灯台が消え、真横から平面的に描かれていた船体はななめ上から立体感をプラスさせました。 一方、けいじくんも、同じくマイペースで進行中。 けいじくんは、修学旅行の思い出をF15号の油絵にすることにしました。 旅行中に自分で撮影した写真を何枚も持参し、どれを描こうか・・悩みました。 「せっかくたくさんの資料があるのだし、画面も大きいし、何枚かの写真を組み合わせたりしてみたら?」という私の意見をヒントに、ひらめいた!とばかりに長いこと真っ白のままだったキャンバスが動き出しました。 まだ木炭による下描きと絵具の下塗り段階ですが、そびえ建つ会津の鶴ケ城の手前には、城を背負う格好の赤ベコが描かれる予定です。赤ベコは、現地での体験で自分で作ったものをモチーフにしています。1枚の写真と実物の赤ベコを組み合わせた、けいじくんらしいユニークな発想です。 さて、6年生ふたりの卒業制作は、のこり4ヶ月をかけてゆっくり仕上げて行くとして、けいじくん、そして影響を受け翌週やはり自分で撮った修学旅行写真を持ってきて別の絵のモチーフにしたせいたくんたちに、さらに影響された人物がひとり、いました。 さやかちゃん(小2)は、後日、突然『お父さんが撮った箱根旅行でのお兄ちゃんとの2ショット写真』を2枚、持ってきました。「今日はこれを絵に描くの。私がいちばんかわいく映っているのを持ってきたの」と。 よくよく話を聞いていると、「だってせいじくん(さやかちゃんはせいたくんとけいじくんをまとめてこう呼ぶ)も写真持ってきてたでしょ。」ということだったのです。写真をみて絵にする、という、いままでやったこともないような絵の作り方に、ちょっぴり憧れを抱いていたさやかちゃん。 写真を見て描いただけあって描写力抜群の、ニコニコ、ポカポカ、しあわせいっぱいの兄妹の絵が描けました。 みんなみんな、お互い刺激しあって、自分の中から湧き出てくるアイディアや思いをこめて、充実した楽しい制作が生まれます。
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