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ひまわりさん観察日記 DiaryINDEX|past|will
![]() ゆうなちゃん(小4)作『雨の日はカエル』。この季節にぴったりの油絵ですね。タイトルも私好み! みなちゃん(小3)の家のねこが、ここ4〜5日帰らないという。 18才のおばあちゃんねこちゃん。「ねこはね、死ぬ時、姿を消すんだって。」と、みなちゃんのご家族は心配しつつもそんな話をしているのだそう。 ・・・・あれ? ねこ、ねこ。ねこと言えば・・・・ 先週末ごろから、気になっていることがあるのだ。 アトリエでひとり作業をしていると、ねこの鳴き声が聞こえてくるのだ。 確かに御近所のねこちゃんが窓の外を通るのをみかけることは日常茶飯事なのだが、鳴き声を聞くことはめったにない。それも、本当にすぐそこで鳴いているみたいによく聞こえるのに、気になって窓の外を覗いてみても、姿は見えないのだ。 そのことをふと思い出し、みなちゃんに伝える。「今日もね、みんなが来る前に、鳴き声がきこえたんだよ。でもやっぱりどこにいるかはわからないんだよねえ。」 「えーーっ? それってうちのねこかなあ。見ればすぐわかるんだけど。目がすこし変わってるから」と、みなちゃんは自分の右目を触ってみせる。でも残念ながら、鳴き声の主にお目にかかったことはないので、みなちゃんのねこかどうかはわからない。 ・・・なんて話をしている矢先、そうそう、この声! あの鳴き声がまた聞こえてきたのだ!! 「どこどこっ!?」と居合わせたひまわりさんが全員で窓に駆け寄り、外を見る。でもやっぱり、姿は発見出来ない。そんなひまわりさんとは対照的に、その場でじっと耳を澄ますみなちゃんは「あ・・、うちのねこの声だ」。絶対そう、と断言する。 「外に出て、見ておいで」そういうとみなちゃんは玄関を出て通りを眺め回すが、やはり見当たらない。残念そうに戻ってくるみなちゃん。すると、窓から熱心に声を聞いていたせいたくん(小5)ゆうなちゃん(小4)が声をそろえて「こっちからきこえるよ」と、通りとは真反対の、アトリエの建物の隣の空家方向を指さす。えみりちゃん(小2)が「ねこの名前、呼んでみて」というので、みなちゃんがみんなに後押しされながらも大きな声で「メメ!」とよぶと、ニャアア〜、返事をしたように聞こえる。 「メメッ!」「ニャア〜〜」「メメ!!」「ニャアアア」。間違い無い! 「よし、おけいこ中断して、みんなで探してみよう」 玄関を出て通りとは反対側、隣の空家とアトリエの建物の隙間をみんなで覗く。空家の門は閉鎖されているので入れない。建物の隙間は、物が置いてあったりして、入って行くのはちょっと危険。わいのわいのとみんなが興奮する中、私が薄暗いその隙間に目を凝らすと・・・んっ!いたいた!あの光る目は、声の主に違い無い!! みなちゃんが「メメ!」と呼ぶと、また返事をする。その度に一歩一歩とこちらに寄ってくる。「ああっ、メメだあ」とホッとしたような声を出すみなちゃん。「キャアア〜!カワイイ〜〜!メメちゃ〜〜ん!」と黄色い声を出すさやかちゃん(小1)とゆまちゃん(年長)に「メメちゃん驚いて逃げちゃうといけないから」と言い聞かせて、みんなで後ろに下がり、静かに見守ることに。みなちゃんとメメのしばらくの掛合いの後、とうとうメメはみなちゃんのもとに出てきたのでした!固唾を飲んで見守っていたひまわりさんたちも、大喜び!! みなちゃんのお家はあとりえから近いので、「だっこしてお家に連れて帰っていいよ。そしたらまたあとりえにおいで」と言うと、ここで問題発生。 みなちゃん、飼い猫なのに、だっこできないというのだ。だっこどころか、ほとんど触れない模様。生き物なら何でも来いっ!のゆうなちゃんの方が、よっぽど飼い主みたいに、メメを撫でたりだっこしたりして逃げないように引き止めてくれている。 それじゃあ、ということで、お家に電話をして、引き取りに来て頂く。 数分後、おばあちゃまが自転車で現われ、カゴにメメを乗せて、無事にお家に帰れたのでした。 後のおばあちゃまのお話では、メメは年をとって鼻が効かなくなっているので、散歩をしているうちに帰り道がわからなくなったのだろう、とのこと。お家に無事生還してからは、疲れてぐったりしつつも、なにはともあれひたすら水を飲み続けていたとか。かわいそうに。 でも今日、みなちゃんとねこの話をしてよかった!今日を逃したら、みなちゃんがあとりえに来るのはまた一週間後だもの・・・・。だっこは出来なくても、メメはちゃ〜んと、みなちゃんの呼び掛ける声にこたえたんだもんね。 ところで今回、大活躍だったみなちゃん、ゆうなちゃんの影に隠れてしまった、もうひとりの主役級のひまわりさんがいることを忘れてはいけない。そう、せいたくんだ。 実はせいたくん、みんなで外に出てメメを暗がりから呼び戻し、おばあちゃまを待っている間・・・ものの30分ほどであっただろうか・・・靴は履かずに、玄関から外を覗いて、この一部始終に参加していたのだ。 みなちゃんがメメをだっこできない、と発覚した時、「実はセンセイも動物はちょっと苦手なんだよね。嫌いじゃ無いけど、怖いからだっこできないんだ」と告白すると、せいたくんも「ぼくもねこは苦手。犬なら大丈夫だけど」という。せいたくんは犬を飼っているのだ。 ・・・なんて言うと、まるでせいたくんが外に出なかったのはねこが嫌いだから?と思ってしまうが、そればかりではない。本当の理由は他にあるのだ。もっと主役級の理由が。 でもそれは別の話。またの機会におはなしするとしよう。
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