今日のおたけび または つぶやき

2014年01月28日(火)  戸次重幸一人舞台『ONE』@紀伊國屋ホール



TEAM NACSシゲさんの一人芝居、「ONE」。面白かったですー。

登場人物が2人、という舞台は観たことあるのだけど(佐々木蔵之介、大杉漣の『抜け穴の会議室』とか)、

完全にひとりだけというのは初めて。

オムニバスで6つのお話を、シゲさんがたったひとりで2時間演じ切ります。




落ち目の役者、スマホ、狂気的な行動に走ってしまった作家、貧乏神、

スナックのオカマのママ、タクシーの運転手。


(ポスター写真のような、まるでボクサーのようなあの肉体美を披露する場面はない。

いかにもひとりで戦っているふうで、一人舞台にはふさわしいし、

カッコいいからノープロブレムですけれども!)




一人芝居というものを観たことがなかったわたしは、ひとり語りのモノローグ的なものかなーとか、

ひとりで何役もしゃべる落語的な感じなのかなー、とかいろいろ想像していたのですが、

いやいやいや!




シゲさんが演じる役は、お話ごとにひとつだけ。

だけど、たとえば落ち目の役者の時は、そのまわりに若いスタッフたち、ちょっと気の利かないマネージャー、

売れ始めた新人、エキストラもいて、その人たちとのあれこれが、

シゲさんたったひとりのセリフと動きだけですべて見えてくるのです。




すごい。これはすごい。

何人もの「いない相手」とお話を進めていくのだから、セリフの量もパントマイム的な動きも多いし、

なによりも「間」が絶妙。

ストーリーも、せつなく哀しいもの、ほっこりあたたかいもの、小粋なコメディ、

ちょっとブラックなホラー、アホな爆笑もの、と、さまざまで、まったく飽きさせない。




2時間強、ほんと見ごたえがあって楽しかったです。

NACSでは「ハンサム担当」でたしかに美形だし、ビジュアル以上に声も素晴らしいとはいえ、

舞台上にたったひとりで2時間、6つの異なる世界を作り上げる力量はさすがでした。

6つの役、どれも良かったなー。特に好きなのは狂気の作家とオカマのママ。




ご本人がご挨拶でおっしゃっていましたが、イッセー尾形さんのひとり芝居に憧れて役者を志したのだそう。

で、40歳という節目で、自分もそろそろ一人芝居をやらせてもらってもいいのではないかと、

今回の「ONE」に踏み切ったと。初志貫徹ですな。




紀伊國屋ホール、初めて入りましたが新宿駅からすぐの古い小劇場(418席)って貴重ですね。

ロビーには、「チーム・バチスタ」関係者からのお花もいっぱいありました。

伊藤淳史氏、西島秀俊氏、仲村トオル氏などなど。

シゲさん、映画「チーム・バチスタFINAL  ケルベロスの肖像」にご出演なのね。

そちらも楽しみにしています。





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