| 2010年12月22日(水) |
「抜け穴の会議室 〜Room No.002〜」 |
大杉漣×佐々木蔵之介のふたり芝居。すごく面白かったです。
なんたってドラマでひっぱりだこの大人気なおふたり、
会場はもちろん満員で(ちょっと出遅れたのでチケット取るの大変だったもの!)、
ロビーのお花も、ドラマ制作班や共演者の方々のお名前をたくさん拝見しました。
このおふたりをナマで拝見するのは初めてですが、漣さんは最高にダンディーで、
蔵之介氏は長身でキレイで、おふたりともステキな色っぽさを放っていらっしゃいましたよ。
ひとつの人生を終えた人が来る部屋。
そこには自分と深く関わった人も居て、その人と共に自分の人生を思い出し、
復習し、反省し、次に生まれ変わるときの新しい人生に備える、という
作業をしなくてはならない。
最初、ふたりは自分達の関係がまったく思い出せないのだけど、
徐々に、何度生まれ変わっても色々な関係で深く関わってきたことを思い出し、
特に、父子であった時の強烈な経験を振り返ることになる。
この色々な関係を、ずっと同じ部屋の中で、最小限の小道具だけで見せてくれるのだが、
その時々のふたりの関係を、活き活きとまざまざと見せてくれて本当に素晴らしい。
深刻だったり悲惨だったり滑稽だったり温かかったり、な、ふたりの不思議な「縁」に
引き込まれて、最高に密度の濃いあっという間の90分でした。
相手をヒドイ目に合わせてしまった次の人生では、相手へのつぐないみたいなことをしていて、
常に貸し借りの清算みたいに縁が続いていることに気づいたふたり、
「貸し借りがゼロになっちゃったら、もう縁はなくなってしまうのかな?」というセリフが
とても印象的でした。縁を切りたがっているような、でも寂しがっているような。
縁は貸し借りだけでつながっていくものではないだろうけど、
でも実際にゼロになるなんてないのかもなー、と思いましたよ。
自分の過ちを償うとかのマイナス面での清算ばかりでなく、
いっぱい幸せをもらったから、次は自分がもっと幸せを贈るんだ、みたいな縁もあるだろうし。
これまでたくさんの前世を振り返り、ふたりの濃厚な関係を見つめなおし、
ようやく、ひとりは次の人生へ向かうことを決意するのです。
(もうひとりは後から来たので、もっと振り返る作業をしなくてはいけないの。)
「次に生まれ変わったら、オレに会っても絶対に声をかけるなよ!」と、
ひとりはもうひとりに言ってから、その部屋を出て行くのだけれど、
さて次の人生ではどうなることやら。どんな出会いになるのやら。
大人のオトコマエふたりも最高にステキでしたが、
前川知大さんの脚本も演出も本当に素晴らしいと思いました。
普遍的な魂の話を描いているのに、重くなりすぎず、ほっこりあたたかく、
コミカルなやりとりも随所にあり、やっぱり生きてるって幸せ、と思わせてくれるステキな舞台でした。
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