ずしりと重い作品でした。
でも観ていてイヤな気持ちになるわけではないのはナゼでしょう。
この登場人物の誰にでも共感できそうな、でも絶対したくないような。
被害者だったはずの者が、すべて加害者になる。
被害者であることを口実に、復讐を正当化する。
あるいは被害者としての弱さを認めたくないために、加害者になり力を誇示する。
憎しみの連鎖により広がってゆく悲劇、というわけではなく、
それぞれが自分の中の弱さ寂しさ醜さ自己顕示欲に気づき、絡めとられた瞬間から、
圧倒的な無力感と絶望感のはけ口がわからなくなってどんどん自滅してゆく、という感じです。
陰惨なイジメやスプラッターな殺人シーンよりはるかに怖いと思えたのは、
自分は生徒に寄り添い理解していると思っている新人熱血教師の空回りっぷりと、
その熱血教師にうわべだけ徹底的に合わせ、明るさ素直さを演じきる生徒たちでした。
相手のためを思う、相手のことを理解する、という努力の方が異質に見え、
イジメや復讐が淡々と行なわれるのがあたりまえ、と思える世界は本当に怖い。
重いお話だとは聞いていたので、岡田将生くんが一服の清涼剤になってくれるのかと
思っていたのですが、イヤイヤイヤイヤ。
あのカッコよさがむしろ、異質さをさらに際立たせていて観ているのが辛いったらありゃしない。
もちろん、配役としては大正解ということなのですが。
この映画の中で、唯一救いを感じる場面というのは、
加害者となった者たちが激しく泣き叫んだり慟哭したりする場面です。
それは必ずしも良心の呵責に耐えかねて、という理由の慟哭ではなく、
ただ自分の思うとおりにいかなかったというだけのことかもしれないのだけれど、
たとえそうだとしても、押さえきれない感情に泣き叫ぶ、という行為に
唯一の人間らしさが感じられたのです。
この話に救いはあるのか、もうちょっと咀嚼しないとわからないです。
森口先生の最後の言葉に希望を見出すなんて無理がありすぎる気がしますし。
ただ、もっとじっくり味わってみたいという気持ちにさせてくれる作品です。
原作読んでみようかしらん。
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