せらび c'est la vie |目次|昨日|翌日|
みぃ
小試験は、辛うじて持ちこたえた。ご苦労であった。 しかしワタシは未だに不規則動詞の時制の変化を抑えていない、という大いなる課題が改めて知らしめられ、この週末はやはり図書館へ詰めた方が良いだろうと焦る。 授業が終わってから、クラスメイトと帰りしな、学校の傍の商店街をうろうろと徘徊した。 当初のワタシの予定では、未だ日本進出を果たしていないと見られる某店にて先日購入したおズボンがやはりぴったりと穿けないという事実にうな垂れつつそいつをさっさと返品して、それから公園に出掛け、昼の残りのサンドウィッチでも齧りながら語学の試験勉強をしよう、というものであった。 しかし彼女と偶々話しながら建物を出て来たところ、彼女も一緒に来るというので、それではとふたりしててくてくと道を歩き進むうち、なんと「セール中」というでかでかとした広告があちらこちらの軒先に掲げられているのに出くわした。それで直ちに、これは是非入ってみなければならぬだろう、と合意を得た、という次第である。 ワタシはそのうちのある店で、学校への出入りに不可欠な身分証をケツのポケットに入れておいたのを、試着中にどうやら落っことしたようである。 帰宅後早速その事に気付き、慌てて学校の警備に電話をするも届いていないと言うので、そうすると考えられるのは試着室しかなかろうという事で、インターネットで店舗の電話番号を探し出す。便利な時代である。 店員氏はワタシの身分証を素早く探し出し、金庫に入れておくから、明日取りに来たら責任者に直接取り次いで貰うようにと言う。 意外にも即時解決を見て、ワタシは一安心する。 ここは普段は幾分高級店で、ワタシなどには一寸縁が無いのだが、しかし何しろ「セール中」という事で、かなりの出血大サービスを展開中であった。 クラスメイト嬢はそこで何点か購入してご満悦だったのだけれど、ワタシはまたしてもおズボンがどうにもぴったり合わず、また上手い具合に可愛らしい袖なしブラウスを探し出したというのに、なんと致命的なほつれを発見し、それをネタに値段交渉を試みるも全く相手にされず、それじゃあ買わないとへそを曲げて、結局手ぶらで出て来てしまった。 巷では、間も無く秋物が展開される模様。 風の無い熱帯夜に汗を掻き掻きそんな事を書きながら、そういえば巷の夏休みの大半は既に終了したという事実に愕然とする。 周囲の人々は、例の「腐れ縁オトコ」も含めて、皆ヴァケーション中の模様。 人が遊んでいる最中に、黙々と学ぶワタシ。 そして、今働いている人々がヴァケーションを取る頃には、引き続き黙々と働いているであろうワタシ。 今年はまだ一度もビーチに行っていない。 そうか、五月にヴォランティア活動を通して山には出掛けたのだった。でもそれは、「ヴァケーション」と言うには程遠い。 ああそうだ、六月にほんの一瞬、隣の国へ出掛けた事があった。 あんまり一瞬だったので、わざわざ日記にも書かなかったかも知れない。あれは実は、それなりに気分一新出来て良かったのだが、欲を言えばやはりもう少しゆっくりしたかった。 何処かへ行きたい。 しかし来週語学の授業が終わったら、すぐさまお預けにしている仕事に取り掛からなければならない。それを来月上旬までに仕上げる段取りになっているのである。 すると、話はそれからか。 一通り用事が済んだら、新たな職探しの一貫という言い訳の元、どこかへ旅行に出たいと思っていた。反対側の岸辺に友人が住んでいるので、そこを訪ね序でに、新しい仕事の面接の予定を入れたりなどしたら都合が良い、などと考えを廻らせたのが最後、以降はばたばたと慌しくなってしまったのである。 どうにかして、まだ夏である間に夏休みが取れないものか。 現状から考えられるのは、上手く行ったとして八月中旬、しかし八月後半辺りから別の作業が入ってくる可能性があるので、それまでには戻って来なければならないか。 しかしそれも決定的な話ではない訳で、すると一仕事終えたら八月は何とか都合が付けられそうではないか。 ふむ。 実は「行き付け」と言ったら相当おこがましいが、これまで何度か訪れた事のある国内のリゾート地がある。 そこなら勝手を知っているので、飛行機の手配さえしてしまえば、宿の心配は要らない。今の時期はオフ・シーズンという事になるので、飛行機も然程高くないから、ワタシのような余裕の無い人間には都合が良い。それでつい、この時期に旅に出たい病に掛かると、ひとりでふらりと出掛ける事がある。 「隠れ家」と言ったら嫌らしいけれど、然程金も掛からずひとりで訪れる事が出来て、諸々の都合が良いところである。 むくむくと、旅に出たい病が頭をもたげる。
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