日記...abc

 

 

- 2006年04月28日(金)

母との関係を築くのに失敗したのは、私の方なのか。

幼稚園の頃、母がぞうきんがけをしていたその後ろを通りがかると、
めずらしく、セーターが短かったのか、母の背中が出ていた。
私は、嬉しくなって、その母の腰の上あたりの背中を、小指で触った。

ママ、お背中出てる、とも言えず、
手のひらで、大胆に触ることもできず、
でも母と遊びたかった私は、小指でそっと触った。

あまりにそっとだったからか、母は気がつかなかった。


2、3回触って、でも母が気がつかなかったので、私は諦めて
台所へと向かった。
冷蔵庫の扉を開け牛乳をしまおうとして(私は牛乳を取り込む係りだったのだ)
異様な気配に振り向くと、
母がすごい形相で立っていた。

「なぜ、背中をひっかくの!」

ひっかいた?
私が?
触っただけなのに。

でも、言えなかった。言えない人間関係ができあがっていた。

私は、母の背中に触って遊ぼう、と誘ったことを後悔し、
ひたすらごめんなさい、を繰り返した。

「背中に触るならわかるけれど、ひっかくなんて。なんて恐ろしい子」




祖母がそんなことないでしょう、と取りなしてくれたけれど
母は、他の人の意見を聴くような人ではなかった。

私は、母の背中をひっかく悪い子、という烙印を押された。






それ以来、私は二度と自分から母に触れにいくことをしなかったような気がする。

自分から手をつなぎにいくことも
抱きつきにいくことも。

あのとき、ひっかいていない、触っただけ、ちょっといたずらに触っただけ、と
言えばよかったのだろうか。

失敗したのは、私なのだろうか。



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