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2006年06月25日(日)  『でも、声はいいだろ?』/「ファントム」観劇 



お友達のAさんのお誘いで、宝塚歌劇「ファントム」を観にいきました。

数年前、宙組公演での「ファントム」自体は観劇したことがあったのですが、花組での観劇は初めて。誘ってくれたAさんと同じく、宝塚ファンのN村さんが一押しだという、圧倒的な歌唱力が定評の春野さんが主演のファントムを演じる…というだけあって、少し楽しみだったりしました。

さて、本公演。

声フェチなN村さんお薦めのトップさん…ということで、成程彼女の声は素晴らしかったです。
音量の域も、バリトン域からテノール以上まで…と、本男性とさほど変わらない音域の声量にも驚きましたが、彼女が持つ「声の色気」が濃厚に出ていて、(他の方たちが悪いというのではなく)彼女の声だけがまるで3Dのように聞こえてきました。素晴らしかった。

さすが宝塚…というだけあって、作中のファントムはとても男らしく格好良く。少し影のある色っぽさも相俟って、顔が醜い(といっても、全く説得力なし)とはいえ、クリスティーヌは何故にこんなに格好良いのに、ファントムではなくフィリップに行ってしまうのか…と首をかしげるほど(笑)
…それに、何よりも可哀相などクリスティーヌに一途だし。

観劇後、観劇した一同が皆「私だったらファントムに行くけど…」ということを漏らしたほどだったんです(笑)

一方、もう一人の主役「クリスティーヌ」役の桜乃さん。
どうやら、今回の公演が娘役トップのお披露目…というだけあって、とても初々しく滅茶苦茶可愛らしいクリスティーヌで、そこに彼女がいるだけで場面がパステル色の可愛い雰囲気になってしまうような錯覚さえ起こしました。演技も申し分なくクリスティーヌの純朴さ、可憐さ。誰にでもすぐに心を許してしまう素直さがとても魅力的。レビューでのダンスもとても軽やかで、まるで羽が生えているかのように簡単にぽーんと容易く高く飛び上がる姿には少し感動を覚えるほど。

…ただし、歌唱力がちょっと…(汗)

途中で何とか持ち直しましたが、その前の前半部分はグダグダ。声は出ない、音は外す、音程は不安定(大汗)
演目中に「クリスティーヌ、そのままではオペラ座には立てない。レッスンをしなければ」という台詞があるのですが、隣に座っていたYさんがその台詞を聞いて「(レッスン)是非にしてやって!」と半ば本気で呟いていたほどでしたもの(笑)

いや、多分彼女にとって「クリスティーヌ」が仇になったのでしょうね。何せ彼女は「天使と誉れ高い絶世の声の持ち主」。なので、荷が勝ちすぎていたのかもしれません。


でも、そういえば彼女の歌が様になってきたのは、「ファントムとのレッスンで、太鼓判を押された後」から。
…もしかして、あのグダグダ歌唱力は演技…??
なんて思ってもみます。…ああ、での演目後のレビューでの歌はやはりグダグダだったか…(笑)

けれど、その前の彼女の歌を聞いたAさんによると、その前の公演ではもっと歌がグダグダで、聞いていられるものではなかったとか。なのに、今のこのレベルまで持ち上がったとなると(いや、本当に彼女が「クリスティーヌ」じゃなかったら、文句も言わないんですよね)相当努力したんじゃないのか…と。
まだまだ今回の公演が「お披露目」。
これからに期待大な新人さんではないか…とのことでした。

…いや、宝塚初心者の私に誰も言われたくないのかもしれませんけれど…(笑)


全体的に話の辻褄が合わない…と思ったシーンもいくつかあったりしたのですが、でも総体的に良かったです。
何よりも舞台がフランスのオペラ座…ということで、宝塚特有の煌びやかで豪華な衣装達も沢山あったし!(笑)


偏見だと言われるかもしれませんが、やっぱり宝塚は「華やか・煌びやかでナンボ」だと思うんです(笑)



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