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2006年02月16日(木)  『一線の、その先・・・。』/「贋作・罪と罰」観劇 



(KinKiちゃんの話題はありません・(汗)


本日は短く。


NODA MAPの、「贋作・罪と罰」を観に行ってきました。

思えば、NODA MAPは初観劇。
元々野田秀樹作品は「透明人間の湯気」しか観たことがなかったので、偉そうなことを言える立場ではないのですが、それでも、野田作品といえば「抽象的な難解な物語で意味が分からない」という固定観念があったので、どうなるものかな〜・・・とちょっと不安な気持ちもあったのです。その上、元々ドフトエフスキー作の「罪と罰」という作品も題名しか知らなかったくらいだし(汗)

だったら、何でチケットを取ったのかかと問われれば、ひとえに松たかちゃん(松たか子女史)と、古田新太さん、中村まことさん等々の俳優さん目当て・・・だったのです。


が。



私が間違ってました。




野田秀樹、すごいです・・・。



勿論、ある意味難解な物語ではあったのです。台詞も説明不足な所もあるし、なのに、行間を読む暇さえ与えてはくれない登場人物の早口でまくし立てられる丁丁発止のやりとりに目まぐるしく、話についていくだけで大変。
どこまで元の「罪と罰」の物語に沿っているのかはわかりませんでしたけれど(読んでないから・(汗)それでも、「全然意味がわからなかった」ということはありませんでした。


とても悲しくて、切なくて、美しい物語でした。



主人公・英が起こした殺人事件。
彼女は自分の犯した罪を「理念を貫くための小事」だと嘯きながら、その罪の重さに引きずられて行く。
・・・殺人という、一線を越えた向こう側に渡ってしまった彼女が向かう先は・・・?

奇しくも時代は幕末。時代の波は、彼女とその周りを飲み込んで行く・・・。



勿論、史実を無視したお話に対して、ツッコミ所もあるにはあるし、どう繕っても英の罪は正当化できないものだと思うのだけれども、それでも、彼女が罪を受け入れた後の静謐とした清々しい佇まいと、凛とした中にある幸福そうな笑顔に涙が出ました。

雪に例えられた真っ白い紙の中、静かな、幸福な表情をした彼女の側にある殺戮さえも。





もちろん、役者さんは言うまでもなく。

松たかちゃんの凛とした美しい佇まい、新太さんの相変わらず卑怯すぎる男前っぷり、意外に重役だった中村まことさんや、宇梶さん・段田さんのベテラン陣の腰の座りっぷり。勿論野田さん本人の圧倒的な存在感等々・・・。

皆の熱情にすっかりと、やられて帰ってきました。
熱い小さな塊を植え付けられたみたいに、妙な違和感が胸の内に今でもあります。


ホンや役者さん演出・・・どれをとっても、過不足なく文句なしに素晴らしかったです。

観れて本当に良かった・・・。



そうそう。アドリブで中村さんと段田さんのやりとり。

「大阪のJRはおかしい。阪神も梅田、阪急も梅田。大阪市営地下鉄は西梅田に東梅田。でも、なんでJRだけ大阪なんだ!?」
「そうだな・・・でも、私は『阪急』が好きだ」
「・・・俺もだ」

私の中で大ヒットでした。・・・言われてみれば確かに・・・(笑)
そして、『阪急』は・・・東宝にもつながる、大阪で唯一の劇場と劇団を持つ電鉄ですしね(笑)



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ここは 「ふわふわ。り」様の素材を使用させて頂いています。



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