ベースを弾き始めると、何かと、なんとかしなきゃ、と思う。それは単にバンドがやりたいからだけではなくて、同じ部活で現役合格した人たちからの見えないプレッシャーとか無駄に過ごしてしまった時間のこととか、いろんな物が一度に伝導してくる。その襲来は耐えがたく、暗い部屋の中で独り押しつぶされそうになる。それでもこうでもしないと現実を見ない自分がいるのもまた確か。だから今日も少しだけベースに手をかけて現実世界に回帰する。