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■ 病院
駆け込んだ病院で、祐ちゃんと一緒に診察を待つ。 握った手には、自然に力が入ってしまう。
白黒の画面に、小さく動く心臓が映し出されて 先生はほっとした口調で私を諭す。
この子を守るのは、旦那さんでも校長先生でもなく あなた自身なんですよ、お母さん
仕事と、子供と。 頭ではわかっていても、 心から大切にできなかった自分がふがいなくて どちらにも申し訳なくて、勝手に涙があふれてしまう。
祐ちゃんは、すぐに気づいて私の肩を抱き寄せる。
先生としての俺や華の代わりはいくらでもいるから大丈夫 でも、この子の母親は華だけなんだよ
まだ全く目立たないお腹に、祐ちゃんが手を添えて 私もその上から手を添えたとき いよいよ涙があふれて きっとまた一つ母親に近づいていく。
2006年10月11日(水)
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