あたたかなおうち



 実家

初めて祐ちゃんの実家に行った。
祐ちゃんの家族に会った。

うち、本当に狭いよ
祐ちゃんが何度も何度も言う。
緊張して何も答えられない私に気づき、
祐ちゃんは優しくささやく。
大丈夫だよ、俺の家族だから

団地の階段を上がっていき、
鍵のかかっていないドアを開ける。
ただいま
ここが、祐ちゃんの家だ。


祐ちゃんを産み、育ててくれたご両親。
祐ちゃんが愛してやまない弟たち。
思い出話にしか聞いたことのない
私の知らない、祐ちゃんの時間。
そこに参加できたことが、私は本当に嬉しくて
胸がいっぱいになってしまって言葉がうまく出てこない。


私は、祐ちゃんの家族を大好きになる。
心からそう思えた。
それは、とても幸福なことだと思った。

2005年03月29日(火)
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