あたたかなおうち



 卒業

卒業したら1年間ほど実家に帰ろうかと考えた。


高校進学を機に家を出て、
それからずっと家族と離れて生活している。


就職したら、一生時間に追われる気がする。

私には、実家で学びたいことがまだまだたくさんある。



夜中に近くのコンビニに行く。
二人とも、ジャージにサンダルの格好で。
その話をすると、祐ちゃんは珍しく嫌がった。

俺はやだ…
子供のようにふくれる祐ちゃんがいとおしくなる。
華のいない生活は寂しいもん
私は笑って祐ちゃんの手を取る。
祐ちゃんは、つないだ手を
私の手ごと自分のポケットにつっこむ。


じゃあ、卒業したら一緒に住んでくれる?
祐ちゃんは前を向いたまま、優しい声で言う。
卒業したら、華をもらいに行くつもりですよ

2005年01月24日(月)
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