あたたかなおうち



 家族

年明けは実家で過ごした。


毎年来客でごった返すこの時期に、
今年はたまたま家族水入らずのお正月になった。

受験を控えた弟が、私のために時間を割いてくれる。
たった一人の兄弟であり、幼い頃から誰よりも仲がいい。
降り積もった雪でゆきだるまを作る。
大きなものから、小さなものまで、いくつもいくつも。

そこに、父と母が加わる。
お正月の夜更けに、家族4人のトランプが始まる。
ババ引き、7並べ…。懐かしい遊びばかり。
笑い声がいつまでも響く。


父は、お正月のようだ、と何度も言った。
私たちは、お正月なんだよ、と言って笑った。



お正月が終わると、私と弟はそれぞれの家に帰る。
もっともっと、ここにいたいと思う。
父と母がいつまでも手を振っている。

ちょっとだけ泣きそうになる。


帰りの道中、祐ちゃんに電話をする。
気をつけて帰ってくるんだよ
祐ちゃんの声が優しくて、私はいよいよ泣きそうになる。


2005年01月06日(木)
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