あたたかなおうち



 なくしもの

昨日はホワイトシチューにした。
寒い日が続いている。
もうすぐ、11月だ。

祐ちゃんが申し訳なさそうに、
指輪をなくしてしまったことを報告してきた。
私は、ついになくしたか、と思い、
いいよいいよ、と笑う。
祐ちゃんの身の回りを見れば、
なくすのは時間の問題だと容易に想像がついた。
机の上にも床にも、教材や資料が散乱した部屋。

かなり探したようだった。
子どものようにうなだれる祐ちゃんを見て、
私はなんだか切なくなる。
そんなに気にしなくていいよ
穏やかに声をかける。
それが余計にこたえるらしく
祐ちゃんは力なく頷く。

2004年10月27日(水)
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