あたたかなおうち



 おかえり

祐ちゃんが実家から帰ってきた。
私は何も用事がなかったので、
電車で途中まで迎えにいった。

車に乗って、隣を見る。
運転している祐ちゃんの横顔が好きだ。

同窓会の話や実家の話を聞く。
祐ちゃんは楽しそうに、懐かしそうに話す。
私はうんうん、とかみしめて聞く。
私の知らない祐ちゃんの話がうれしい。

でも髪を切ったのには気づいてくれない。
少し寂しくなって、会話が途切れたときに窓の外を見る。

すると急に頭の後ろをぽんぽん、とされる。
驚いて振り返ると祐ちゃんが優しく笑っている。
あとでちゃんとほめてあげるから

気がついてたの!
と私は笑いながら言う。

2004年10月25日(月)
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