Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 小説「マツダイラ」の改題を検討
2007年12月05日(水)

 当HPで好評連載中の長編F1小説『マツダイラ』ですが、おかげさまで現在12話まで公開中で、間もなく最新第13話「PUNISHMENT OF DEATH(仮題)」を皆様にお届けすることができます。当初は5月下旬の発表をを目指していましたが、大幅に遅れてしまったことをこの場でお詫び申し上げます。

 さて、この「マツダイラ」という小説がどのように誕生したのかというエピソードについて、以前にもVoiceで書きましたが、お忘れの方で興味のある方は「マツダイラ誕生秘話(1)」「マツダイラ誕生秘話(2)」をご参照頂きたいと思いますが、小説の内容が“マツダイラ”という架空の自動車メーカーがF1に参戦するという内容で、当時の当HPの常連さんたちにとっても“マツダイラ”という名前が印象的だったため、小説の題名もそのまま『マツダイラ』として満を持して連載開始に踏み切ったわけです。
 しかし、先述の通りこの作品も第12話まで進み、そろそろ内輪的なお遊び感覚から抜け出し、新たな読者さんも少しずつ増えて立派な作品として認知され始めてきたので、ここらで思い切って『マツダイラ』という題名を変えてみようかと検討しています。

 そもそもなぜ題名を変えようかと思ったかというと、これまでまったくこのHPを知らなかった友人・知人にHPを紹介した際、「マツダイラって何?」「何でマツダイラなの?」といった声を聞き、『マツダイラ』という題名だとどんな小説なのかわかりづらいなあと思ったのが発端です。考えてみれば小説や映画、ドラマなどの題名と言えば、多少なりとも内容やテーマに沿った題名がつけられるのが常であり、いくら作品中に登場するマツダイラという架空の自動車メーカーが主役とはいえ、これから読もうと思っている方にとっては『マツダイラ』と言われても何のことだかさっぱりわからないでしょう。それに、すでにお読み頂いている方々はご存じの通り、この作品ではマツダイラだけでなく、様々な角度からF1の世界を捉え、それを取り巻く人間模様にも焦点を当てて、単なる“架空自動車メーカーのサクセスストーリー”という枠組みを飛び越えて多角的にストーリーを展開しているわけです。そんなわけで、もっと作品の内容やテーマに則った、わかりやすい題名に変えたいと思い立ったわけです。

 今検討している題名は、以下の通り。(左が邦題、右が原題)

 ●コンストラクターズ   The Constructors
 ●マニュファクチャラーズ The Manufacturers
 ●チャレンジャーズ    The Challengers
 ●ドリームメーカー    The Dream Maker
 ●ゴールデンチーム    The Golden Team
 ●日本(にっぽん)魂   The Japanese Soul

 現在もっとも有力なのが『コンストラクターズ』ですね。F1の世界ではもうおなじみの言葉ですが、直訳すれば“製造者たち”と言う意味で、マツダイラもF1マシンの製造だけでなく市販車の製造もしていますので当然コンストラクターズにあたり、なおかつマツダイラのライバルとなる他のF1チーム(つまりコンストラクター)のエピソードも同時進行で今後描いていく予定なので、製造者たちの中で繰り広げられる様々な人間模様もひっくるめて、もっとも作品の内容を的確に表現した題名ではないかと思っています。第2候補は同じ“製造者たち”という意味を持つ『マニュファクチャラーズ』ですが、こちらもモータースポーツの世界でよく耳にしますが、見ておわかりのように、この言葉になじみのない方にとっては言いにくい・覚えにくいというのが難点ですね。

 『チャレンジャーズ』は言うまでもなく“挑戦者たち”ですね。ただ、これだと枠が広すぎて、何に挑戦するのかがわからないのと、何だかNHKで以前放送していた『プロジェクトX』のサブタイトルの印象が強いので、悩むところです。その『チャレンジャーズ』に近いのが『ドリームメーカー』、つまり“夢を造る者たち”ということになりますが、こちらもちょっと大枠過ぎて、しかも何だかファンタジー的なイメージが強くなってしまうので、どこぞにありがちな個人で執筆し自分のHPなどで公開している同人誌感覚の三流ファンタジー小説と勘違いされたくないので、厳しいですね。

 『ゴールデンチーム』はマツダイラのマシンのメインカラーであるゴールドと“豪華なチーム”という意味をかけたもので、明らかにマツダイラのことを差しているわけですが、現状の『マツダイラ』という題名に比べたらはるかに題名らしいですし、メインテーマである“架空自動車メーカーのサクセスストーリー”というイメージを前面に出すのであれば、これもありかなと思っています。ただ、マシンカラーはゴールドですが、マツダイラは言うまでもなく小さな自動車メーカーで、F1チームとしては弱小であり、“ゴールデンチーム”と呼ぶにふさわしいかと言われれば、悩むところではあります。

 で、これらの題名とは一線を画すのが一番最後の『日本(にっぽん)魂』です。唯一日本語の題名ですが、原題は『The Japanese Soul』とちょっとF1とはかけ離れたイメージでピンと来ないかも知れませんね。ただ、この題名の候補には理由がありまして、現在現実のF1ではホンダ、トヨタ、スーパーアグリという3つの日本のF1チームが参戦していますが、フジテレビF1中継の実況などでこれら日本のチームを言い表す時に“ジャパンパワー”というフレーズが用いられていますよね。この作品の中でもゆくゆくはテレビのF1中継などの描写で、日本のF1チームであるマツダイラを言い表すためのこういったフレーズを使いたいと考えているわけです。そこで“ジャパンパワー”に対抗して思い付いたのが“ジャパニーズソウル”と言うわけです。
 ただ、この作品で現在描かれているのは、まだマツダイラがF1に参戦する2年も前の話で、マツダイラが実際F1にデビューするのはまだ先の話であり、実際に“ジャパニーズソウル”という言葉が作品中に登場するのもだいぶ先のことになってしまいますね。まあこの『日本(にっぽん)魂』を題名にしてしまうかどうかは別としても、いずれマツダイラがF1にデビューしたら、その活躍を放送するテレビ中継のシーンで実況者が「ジャパニーズソウルを見せつけろ!」などと熱く語ったりすることは間違いないでしょう。

 実際にいつ題名を変更するかはまだ決めていませんが、新しい題名が決定し次第またVoiceにてご報告します。お楽しみに。



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