Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1第5戦ヨーロッパグランプリ(決勝)
2006年05月07日(日)

 今日はF1第5戦ヨーロッパグランプリの決勝が行われました。昨日の予選ではルノーのフェルナンド・アロンソがポールポジションを獲得し、フェラーリのミハエル・シューマッハが2番手になり両者はフロントローで並びました。従って今回のレースは前戦のサンマリノグランプリ同様アロンソとシューマッハによる新旧チャンピオン対決となりました。

 スタートでは出足の優れたルノーのアロンソがトップをキープしたまま1コーナーを抜けていき、2番手のシューマッハ、そして同僚で3番手のフェリペ・マッサが続いていきます。後方ではデビッド・クルサード(レッドブル)とビタントニオ・リウッツィ(トロロッソ)が1コーナーで接触するというアクシデントが発生しましたが、21番手からのスタートだったスーパーアグリの佐藤琢磨がアウト側いっぱいから抜けてこのアクシデントを上手く回避して、一気に12位まで順位を上げました。但し、スーパーアグリのマシンではそのポジションをキープし続けることは厳しく、その後後続のマシンにズルズルと抜かれていき、結局数周後には今回から新たにチームメイトとなったフランク・モンターニュと共に最後方に戻ってしまいました。

 さて、アロンソとシューマッハのトップ争いですが、アロンソのすぐ後ろにつけたシューマッハは、常に1秒前後の差を保ち、チームメイトのフェリペ・マッサも前の2台に離されずについていきました。アロンソとシューマッハがそれぞれファステストラップを更新しながら16周を終えたところで、まずアロンソが1回目のピットイン。マッサもこの時同時にピットに入りますが、アロンソが前のままコースに復帰します。アロンソを1秒2の差で追いかけていたシューマッハは翌周にピットストップしますが、コースに戻ると、アウトラップを素早く駆け抜けたアロンソに前を行かれ、1回目のピットストップはルノーに軍配が挙がりました。
 
 第2スティントは第1スティントと同じ様相を見せました。アロンソとシューマッハは常に1秒以内の差で、ほぼ同タイムで周回を重ね、マッサがやや遅れて3位をキープ。アロンソがファステストをマークすれば、すぐ背後のシューマッハがその記録を更新するという、新旧王者の激しいトップ争いが続きました。
 そして勝負を決める2度目のピットストップ、残り22周のところでアロンソが先に行ない、前が空いたシューマッハは、ここからファステストラップを連続して叩き出し、39周目には1分32秒099をマークして、アロンソから3周遅れてピットインする時には十分なマージンを得ており、アロンソの前でコースに戻り、新旧王者対決を制しました。

 スーパーアグリの2台は、フランク・モンターニュが29周目に、佐藤琢磨は45周目にそれぞれハイドロリック系のトラブルでリタイヤしてしまいました。モンターニュは今回井出有治と交代してレースデビューを果たし、その実力は果たしてどの程度のものなのか注目されましたが、琢磨とモンターニュの自己ベストタイムを比較してみると、琢磨が1分36秒706だったのに対してモンターニュは1分37秒214と、琢磨と遜色ないタイムをマークしていました。モンターニュはデビュー戦であったことを考慮すれば、琢磨とモンターニュの実力は互角であると言えるでしょう。そうなると、前戦までの4戦で琢磨に対して大きく水を開けられていた井出は、さらに厳しい立場に立たされてしまったことになりますね。

 それにしても、アロンソとミハエル・シューマッハの攻防は見ごたえありましたね!今回はシューマッハにとっては母国グランプリと言うことになるわけですが、前戦のフェラーリの本拠地であるサンマリノでの今季初勝利といい、今回の母国での連勝と言い、シューマッハはここぞと言うところできっちりと勝ってしまうところが見事です。
 第2スティントまではポールポジションからスタートしたアロンソが頭を取っていましたが、シューマッハが常に1秒以内の差でぴたりと背後につけていたことを考えると、シューマッハの方がペースで上回っていたことは明らかです。フェラーリは同僚のフェリペ・マッサも自身初の3位表彰台を獲得しているので、マシンの仕上がりが良くなっているということでしょうね。

 今回シューマッハが優勝したものの、ポイント争いで首位に立っているアロンソが着実に2位でフィニッシュしているため両者の差はまだ13ポイントもあり、依然としてアロンソが大きなアドバンテージを持っているわけですが、前戦サンマリノグランプリと今回のヨーロッパグランプリでの連勝を見る限り、フェラーリが完全復活を果たしてすでにライバルチームを凌駕していると感じました。今後もシューマッハとフェラーリが勝利を重ね、猛烈な追い上げを見せていくことは間違いないでしょう。

 ブリヂストンがいいタイヤを作ってくると、フェラーリは鬼に金棒ですな。



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