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■ 大相撲春場所、まあるく収まる千秋楽
2006年03月27日(月)
昨日の大相撲春場所千秋楽、観ました?いや〜すごかったですねえ〜!何がすごかったって、それぞれ違った状況の中で千秋楽に臨んだ朝青龍、栃東、魁皇、白鵬の4人がすべて丸く収まって、あまりにも理想的すぎる結果に八百長ではないかという疑惑まで持ってしまいそうな締めくくりでした。
では、千秋楽までのそれぞれの状況を整理してみましょう。
まず先場所優勝して今場所に綱取りを懸けていた大関・栃東は、中盤までに3敗を喫して今場所の綱取りが絶望的なってしまいました。しかしその後3敗を守り続けて千秋楽を迎えました。千秋楽で勝って3敗を守りきれば、綱取りを来場所に継続することができます。 一方、同じ大関・魁皇はかど番大関(負け越すと大関陥落)として今場所に臨んでいたのですが、中盤までに7敗してしまい、あと1敗で負け越しと大関陥落が決まるという背水の陣。さらに魁皇は大関を陥落したら引退すると漏らしており、引退を懸けた場所となりました。しかし魁皇は7敗したあと白星を重ね、何とか7敗を守ったまま、勝ち越しとかど番脱出を懸けて千秋楽を迎えました。
そんな中、現在唯一の横綱である朝青龍と同じモンゴル出身の若手関脇・白鵬が今場所目覚ましい活躍を見せました。彼は先輩である横綱・朝青龍を11日目に破って来場所の大関昇進が決定しており、朝青龍と1敗で並んだまま千秋楽を迎えました。 横綱・朝青龍は11日目に関脇でモンゴルの後輩白鵬に破れており、1敗で千秋楽を迎えました。朝青龍は言うまでもなく現在唯一の横綱なので、相撲界の頂点ですから常に優勝することが当たり前の地位。しかし先場所で栃東に優勝をさらわれ、今回は何としても優勝したいところ。
で、この4者の千秋楽の立場をわかりやすくまとめると……
○横綱・朝青龍……唯一の横綱なので優勝して面目を保ちたい ○大関・栃 東……勝って3敗を守り綱取りを来場所に繋げたい ○大関・魁 皇……勝って勝ち越してかど番を脱出し大関に留まりたい ○関脇・白 鵬……大関昇進が決定しているので負けても失うものはない
……とまあこんな状況なわけです。特に栃東と魁皇はある意味テンパッている状況であると言えるでしょう。白鵬は特に失うものはないですが、やはり先輩の横綱・朝青龍を破って初優勝を決めたいところですね。
で、さすがに千秋楽だけあって、取組は魁皇VS白鵬、朝青龍VS栃東の4者が見事に絡んだ組み合わせとなりました。優勝はすでに2敗がいないため朝青龍か白鵬の2人に絞られていますので、本割でどちらかが勝ってどちらかが負ければ、その時点で勝った方の優勝が決まります。また両方とも勝った場合、あるいは両方とも負けた場合は2人が並ぶこととなり、いずれも2人による優勝決定戦となります。
結果は皆さんご存じの通り、本割で朝青龍は栃東に、白鵬は魁皇にともに寄り切りで敗れて13勝2敗となり、決定戦にもつれ込んだのでした。この時点で魁皇は土壇場で8勝目を挙げて9度目のかど番を脱出し、何とか引退せずに済みそうです。また栃東も3敗を守ったので、来場所に綱取りの可能性を繋げる結果となりました。
そして注目の、初のモンゴル出身同士の優勝決定戦。朝青龍は立ち合い白鵬に左下手を与えましたが、瞬時に巻き替えて右下手をつかむと、白鵬が出てきたところを見計らって豪快に投げ飛ばし、下手投げで白鴎を下して昨年九州場所以来2場所ぶり16度目の優勝を果たしました。綱の意地と誇りでもぎ取った優勝でしたた。
と言うわけで、冒頭で書いたように、朝青龍は優勝して横綱の面目を保ち、栃東は来場所に綱取りを繋げ、魁皇は角番を脱出して大関陥落を免れ、白鵬は本割でも優勝決定戦でも敗れましたが失うものはなかったと、4者が見事に丸く収まり、めでたしめでたしで千秋楽を終えたのでした。
いや〜それにしても、白鴎は若干21歳での大関昇進、末恐ろしいですな。少し前までは曙、武蔵丸らハワイ勢力士が猛威を震っていましたが、今度はモンゴル勢ですよ。しかも白鵬は全盛期の元横綱・貴乃花(光司)を彷彿とさせる盤石の相撲で、今後も活躍を続けていずれ横綱になるのは間違いないでしょう。
それに引き替え、相変わらず日本人の大関陣は不甲斐ないですなあ。栃東は今場所何とか3敗を守って来場所に綱取りを繋げましたが、できれば今場所で横綱昇進を決めて欲しかった。しかも栃東が来場所も好調さを維持できるかと言われると、ちょっと微妙ですからねえ。 千代大海は二桁勝利に届かない9勝6敗、そして魁皇も何とか千秋楽で勝ち越して8勝7敗ですからねえ。初のヨーロッパ人大関となった新大関・琴欧州(ブルガリア出身)は、今場所は膝を痛めて精彩を欠き9勝6敗でしたが、彼は今後もまだまだ伸びるでしょうから、白鴎に次ぐ横綱候補であることは間違いないでしょう。もし来場所栃東が綱取りを逃し、そのうち白鵬や琴欧州が横綱まで登り詰めてしまったら、また日本の国技の頂点を外国人力士たちに独占されてしまいそうですな。
かつて横綱候補と言われていた武双山、土佐ノ海はとっくに引退してしまいましたし、琴光喜はなかなか大関に登れず、出島なんて今前頭4枚目ですからねえ。千代大海も何だかここ数場所を見る限り、横綱にはほど遠い感じがしますな。
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