Mako Hakkinenn's Voice
by Mako Hakkinenn



 F1開幕戦バーレーングランプリ(決勝)
2006年03月12日(日)

 2006年F1開幕戦バーレーングランプリは、フェルナンド・アロンソ(ルノー)とミハエル・シューマッハ(フェラーリ)との新旧チャンピオン対決となりましたね。

 こちらも詳しいことはF1レポートで書きますが、昨年史上最年少でチャンピオンに輝いたフェルナンド・アロンソは、強かったですねえ。スタートではポールポジションのシューマッハが無難にスタートを決める中、4位スタートのアロンソが素晴らしいスタートを決めて一気にバトンを交わして3位に浮上。さらにオープニングラップで2番手スタートのマッサ(フェラーリ)を交わして、早くも2位に浮上してトップのシューマッハ追走体制に入ります。その後7周目で後方につけていたマッサが突然スピンを喫し、危うく前を走行するアロンソと接触しそうになりましたが、アロンソがよく見ていて冷静に回避し難を逃れました。あそこでほんの数センチの差でブレーキを踏んで接触を免れたのは、単に運が良かっただけではなく、アロンソの卓越したドライビングテクニックによるものですね。

 シューマッハとアロンソのトップ争いは2回目のピットインまではシューマッハが先行していましたが、レースが動いたのはその2回目のピットインでしたね。36周目に先にシューマッハが入り、その後39周目にアロンソが入り、そのアロンソのピットアウト後の1コーナーで両者は交錯!アロンソが絶妙のブロックを決めてシューマッハの先行を阻止してついに首位を奪い取りました。その後は最後までトップをシューマッハに譲ることなく、新チャンピオンが今年も開幕戦から勝利を手にしました!

 フェルナンド・アロンソは、ミハエル・シューマッハを超えましたね、完全に。このアロンソの走りを見せつけられては、さすがのシューマッハファンも、世代交代の現実を認めざるを得ないでしょうね。アロンソは23才という若さで、まるで玄人のような技を見せますからねえ。昨年のサンマリノグランプリでも、2秒以上ペースが速かったシューマッハに対して、あえてバックマーカーには近づかずに自分のペースでブロックするという若手らしからぬ走りで最後までシューマッハを抑えきりましたし、日本グランプリでも、本来は抜く場所ではない高速コーナー130Rでシューマッハをバッサリと抜き去ってしまいましたし、今回も2回目のピットアウト後の1コーナーで、シューマッハをなめまくっているようなブロックで抑えきりましたからねえ。シューマッハが今年アロンソに勝とうと思ったら、相当苦労するでしょう。もはや実力ではアロンソが上回っているわけですから。

 さて、F1レポートではたぶん触れられないであろうスーパーアグリですが、残念ながら井出くんはトラブルに見舞われてリタイヤしてしまいましたが、佐藤琢磨がエースの貫禄を見せて、4周遅れながらきっちりと最後まで走りきり、新しいチームに見事初完走をもたらしました!
 昨年11月のF1参戦表明時の目標「開幕戦のグリッドに2台のマシンを並べる」を見事に果たしたスーパーアグリは、18周目に2台同時にピットイン、佐藤琢磨が余分な周回を重ね、その後井出有治がメカニカルトラブルでリタイアしてしまいました。しかし佐藤は計6度のピットインを行なうなど慌ただしいレースとなりましたが、最終的にトップから4周遅れながらも18位で完走を果たしました。

 まず何よりも、初戦で見事に完走を果たしたことは値千金ですよ。何と言っても開幕前にはろくにマシンのテストができませんでしたから、今回バーレーンでは、まさに“実際にレースしながらレースシミュレーションをこなした”わけですから、これほどリアルなシミュレーションはありませんよね。またきっちり完走したことで様々なデータを収集することができたはずですし、琢磨もマシンの特性を掴むこともでき、今後に繋がる貴重な決勝になったと思います。

 チームに関しても、ピットクルーもピット作業を実際にしたことがないメンバーばかりのようですから、今回レース中に井出くんの1回と琢磨の6回の計7回もピット練習ができたわけですから、だいぶ作業のコツも掴んだのではないでしょうか。次のグランプリでは、ピット練習はもういいので“本番”だけにして欲しいですな。

 ……それにしても……ピットイン6回て……。



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